転生Moljiana

呪怨 ザ・ファイナルの転生Moljianaのレビュー・感想・評価

呪怨 ザ・ファイナル(2015年製作の映画)
1.8
恋人への思いを遂げられず夫に殺された恨みを持つ伽椰子とその息子俊雄が
自宅に入った人間(とその関係者)を
ひたすらサーチアンドデストロイしていく
シリーズ第十一弾にして劇場版第九作
そして……シリーズ最終作……
何で清水崇監督じゃなく落合が終わらせるとかどういう領分かよとは思いましたが
正直悲しいし、当時劇場で観た時は最初の文章の時点でちょっと泣いてたのも覚えてます
これで出来が良ければ、号泣してたかもね……

ストーリーは前作『呪怨 終わりの始まり』の続き
前作での主人公・生野麻衣の姉・麻衣
ある孤児を引き取った家庭の一人娘・玲央とその他の面々を中心として
俊雄によるサーチアンドデストロイが始まるのですが
はっきり言いましょう……『呪怨』シリーズ最低作品です
まず何が酷いって、兎に角画面全体が暗すぎる
重要なシーンだろうと、俊雄や伽椰子が現れようと画面が暗すぎて何がどうなってるのかさっぱり分からない
そりゃホラー映画なんだから仕方ないにしても
『輪廻』の様に夜のシーンが殆ど無いにも関わらず上手くいった作品も有りますし
少なくとも今迄の『呪怨』シリーズを引っ括めても画面が暗すぎて
理解が追いつかない作品なんて有りませんでした、酷すぎる

肝心の恐怖演出は画面の暗さも相まってもう最悪
「笑ってしまう位幽霊を出す」がコンセプトだったシリーズですが
今作の場合、笑いも驚きも怖さも無い
「あーそこ俊雄いる」「あー伽椰子がやって来たわー」的な感情しか起きない
観客に対して何の感情も抱かせないホラー映画なんてホラー映画じゃないですからね
そして一番の問題はタイトル、「呪怨 ザ・ファイナル」だぁ?
貞子もNEO様も居ないのにどうやって終わらせるつもりなんだよ落合!と観る前は思ってましたが
終盤の台詞でビックリ「止められない。終わりは、ないの」
ふざけるんじゃねぇ!!どこがファイナルだよバカ!!
踊る大捜査線やSPECでさえも最終作にはそれなりに筋入れてただろ!!
本当に頼む、落合は『貞子3D』の監督と一緒に貞子と伽椰子の手にかかってくれ

あ、後は過去作のオマージュも多々有りましたねー
モニターにブロックノイズが入るのは確実に劇場版『呪怨』からですし
その後の奇を衒った死様は劇場版『呪怨2』
エレベーターは少しマイナーなビデオ版『呪怨2』
終盤の伽椰子登場に至っては『リング』すらもパクってるの
ですがこの三つは魅せ方諸共悪くて劣化としか言いようが無い
レストランのシーンは完全に劇場版『呪怨』オマージュで
少しパターンを変えてきたのは好きでしたがその後の展開にガッカリ
何回捨てても戻って来る日記は『呪怨 白い老女』オマージュですが
アレだけは唯一オマージュ元を超えているかと

好きな所を挙げると、まず玲央の友人・碧を柳ゆり菜さんが演じてるのですが
柳ゆり菜さん大好きな私としては終始メロメロでした
『実在性ミリオンアーサー』で大ファンになったので
この調子で楠世蓮さんや藤嵜亜莉沙さんが出てくれれば☆4.5ワンチャンだったかも
後は少し惜しい点として中盤、病弱な女の子・弥生と俊雄が良い雰囲気になるのですが
どうせなら二人に焦点を合わせて恋愛要素を増やしても良かったんじゃないですかね
この監督だったらホラーより恋愛物の方が技量有りそうだし
最終作として上手く〆る事が出来たかもしれないのに

脚本に関して一切触れてませんが、今迄の佐伯邸が更地になり
二人の呪いが別の土地に移った後はいつもの『呪怨』のStoryTellingなので
正直語る価値が無い、脚本自体は海外版と大差無いじゃん
俊雄の設定が謎過ぎるのと伽椰子の扱いの酷さは気になりましたが

以上で『呪怨』シリーズ全11作品を観終わりました、が……
今迄付けた点数ごとにランキングを付けると……
①-4.5:呪怨2(劇場版)
②-4.4:呪怨(劇場版)
③-3.8:呪怨 白い老女
④-3.6:呪怨 パンデミック
⑤-3.5:呪怨(ビデオ版)
⑥-3.0:呪怨2(ビデオ版)
⑦-2.9:THE JUON
⑧-2.5:呪怨 ザ・グラッジ3
⑨-2.4:呪怨 黒い少女
⑩-2.3:呪怨 終わりの始まり
⑪-1.8:呪怨 ザ・ファイナル

やっぱり劇場版二作は至高、白い老女も呪怨らしさを保ちながら強気なホラー演出も噛みあわせて見事でした
『呪怨 パンデミック』はレビューでは酷評気味でしたが
新しい試みを色々やってて、シリーズ内ではかなり好きな方です
『貞子vs伽椰子』公開まで後一週間
本当に頼みますよ、白石晃士監督……!
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