猫脳髄

教授のおかしな妄想殺人の猫脳髄のレビュー・感想・評価

教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)
3.9
これはもっと評価されてもいい作品。「重罪と軽罪」(1989)、「マッチポイント」(2005)、「夢と犯罪」(2007)といったウディの作品群における「罪と罰」の系譜に連なる一応のゴール地点と言える。

ダルさが通常運転で死に憑かれた哲学教授ホアキン・フェニックス(キャスティングの妙味!)が、学生のエマ・ストーンや同僚のパーカー・ポージーと関係を結ぶなか、ある殺人計画を妄想することで生きる活力を取り戻していくという筋書き。

「罪と罰」の系譜では利己的な登場人物が状況次第で罰を受けたりすり抜けたりするが、ウディのなかではあくまでそれは善悪の問題ではなく状況の賜物である。今回は一体どうなるか…とハラハラしながらのあの幕切れが小気味よい(40/50)。
猫脳髄

猫脳髄