エニワンセノービ

怪物はささやくのエニワンセノービのネタバレレビュー・内容・結末

怪物はささやく(2016年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

すごく泣いた。

非現実的存在からの語り口と幻想的なグラフィックが織り成すおとぎ話は、思い通りに行かない現実からの逃げ道になるかと思いきや、物語という緩衝材を通して、ただでさえ追い詰められた少年に現実を突きつけてくる。ダブルパンチじゃん辛い。

けれど、構ってほしさにいじめっ子を煽ってたり、秘めた罪悪感から罰を求めたり、主人公に問題を感じる部分もあって、悲痛な思いを叫ぶプロセスはまさに怪物のいう「癒し」で主人公が必要としてたものなのでしょう。

ラストで怪物は実在した!?と混乱したけれど、病室で母と調合師の話の一部を語り合ってたし、いつか母が話してくれた物語を反芻してたってことになるのかな。

どちらにしろ物語の中に息づく愛情って素敵だなと思いました。