パパイヤ男爵

ワンダーウーマンのパパイヤ男爵のネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ガル・ガドットの魅力的なワンダーウーマンは充分満喫できるものの、なんだか惜しい作品。

前半〜中盤まではとても丁寧に作られている。パラダイス島の出来事も、スティーブとのさりげないやり取りも時間を割いて見せているし、アクションシーンとのメリハリもいい。スティーブが女だけの島を見つけても過剰に興味を示すこともなく、ダイアナという世間知らずの美女と終日つきっきりでも全く下心を持たず、それでいて時折優しい気遣いを見せる姿は少女漫画的男性像。女性監督っぽさはそんなところにも感じる。

ただアマゾン族の使命しか頭になかったはずのダイアナがスティーブに惹かれるくだりはやや唐突だし、ドイツ=悪=アレスと決めつけるのもダイアナの未熟さからだったはずが、最後の展開が結局そこに戻ってしまうのでどうにも惜しい。世の中はダイアナが思うより複雑だった…はずなのに。

スティーブ以外の仲間もそれほど上手く活用できていなくて、そこも惜しい。ワンダーウーマンの撮影前にBvSであの白黒集合写真が作製されていたから、仲間を人数分入れないわけにはいかなかったのかな、などと想像してしまう。

アクションは対ドイツ前線の戦いはリアリティもあって最高だが、ラスボス戦はほぼ神々の戦いとなり、やや冷めてしまう。空、飛べたっけ?とか考えるのはそんなことばかり。そこも惜しい。

とはいえ、シンプルなストーリーに丁寧なシーン作り。分かりやすく魅力的で新しいアメコミヒーローの誕生。上質なアメコミ映画なのは間違いない。ジャスティスリーグもいいが、ワンダーウーマン2が早く見たい!
パパイヤ男爵

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