ロアー

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リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.2
#ウィショ君祭 17作目

5年前くらいに1回観ましたが、その時は感想書いてなかったので再鑑賞です。当時もウィショ君目当てで観ました。

目当てこそウィショ君だったけど、エディ・レッドメインがとにかくすごい映画。表情やちょっとした仕草がおそろしく繊細で、指先からも感情が伝わってくる素晴らしい演技でした。
途中から女性にしか見えなくなってくるし、複雑な心境の揺れ動きも伝わってくるし、とにかく圧巻としか言いようがない。エディ・レッドメインの役者としてのキャリアの中で、確実に特別な挑戦の一作だっただろうな。

妻役のアリシア・ヴィキャンデルもホントかわいくて、夫婦でキャッキャしてるのもかわいすぎて、お互いにまだ愛はあるし嫌いになってすれ違ってしまってるわけじゃないのが悲しかったです。
性別違和に対する理解が全くない時代で、世間と同じように”異常者”として夫を見放したって責められない状況だったのに、葛藤しつつもリリーを支えて最後まで寄り添った愛の力にも感服する。

お目当てのウィショ君は今回もちょい役ですが、結構グイグイ迫るタイプの珍しいウィショ君でした。正装だったりベレー帽だったり何気に衣装がかわいくて好き。話の展開をすっかり忘れてたので、ウィショ君がリリーに名前を囁いた時、こっちまで心臓止まりそうなくらいビックリしちゃいました。

そもそも今回、前回観た時よりもずっと感情移入して真剣に観てたようで、最後なんてもう泣きそうになりました。
何事にも最初の1人がいるのは当たり前だけど、性適合手術の最初の1人だなんてどんなに怖かっただろう。
ロボトミーしようとしてる医者に「やめて!」って叫んだり、股間に放射線とか絶対ヤバいから「ダメ!」って叫んだり、なんかもうヒーローショー観てるちびっこみたいでしたよ、私。ヒーローに「負けるな~!」とか真剣に歓声送ってる5歳児みたいだった。大体1人で観てる時はひとりごとがうるさい女です(最後何の話?)
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