このレビューはネタバレを含みます
男性として生きていたリリーが自分を見つけていく話だと感じた。妻であるゲルダがまたリリーのほんとうの姿を見つけていく話でもある。夫を愛しているがゆえにリリーではなく夫のアイナーに戻ってほしいと頼むシーンは、リリーは女性であるため戻るというのもできない話なのだが、ゲルダの気持ちもわからないわけではなく、観ていて辛かった。しかし最終的にはありのままのリリーを大切に思っているということがわかった。最後に女の身体になったリリーが観た女として生まれてきた夢や故郷の沼地に飛んでいくスカーフが望むものを手に入れたものの儚く亡くなってしまう彼女のようで切なく、うつくしかった。