実話だと気がついてから、真正面から見れない場面が何度もあった。
羞恥心とかではなく、当時は全く理解がされずに、自分が何者かもわからない恐怖。葛藤。そしてあまりにもそのプライベートを覗いている気がして、見ていられなくなる感覚に襲われた。
多分それは、私もドノーマルとは断言できないからだと思う。
傷ついた目や口元を見る度に心臓が締め付けられ、冷や汗が出て、動悸がして。
これだけの想像を絶する辛さや孤独感を、創造ではなく実際に起こっていたなんて。
実話のもととなった方も、生まれる時代が違えばきっと命を落とさずに、昔よりもう少し苦しまずに生きれたのかもしれない。
逆に言うと、この方たちのおかげで幸せに生きられている人たちがいる。
“その人らしく生きる”ということが、理解されない時代を知ってるつもりになってるだけで、全然わかっていなかったのだと思い知らされた。