EditingTellUs

リリーのすべてのEditingTellUsのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.1
February 9th

Tom Hooper監督作品。
久々に洋画に泣かされましたね。

Tom Hooper監督ってなんの作品とったんだっけ?って思いながら見てましたが、Danny Cohenの撮影で気づきました。彼らの撮影はかなり独特で、かなりワイドなレンズから、180mmの超ロングレンズを使った、かなりギャップのあるフレーミングがとても面白い。まず気づくのはDOFの深さ、ワイドレンズで撮ったEstablish ShotやMedium Shotは撮影が行われた場所の景色が綺麗に映し出され、映画の舞台設定を表現している。また今作ではかなりシンメトリーにこだわっていて、女性の美の美しさ、シンメトリーが表すLeading Lineが二人の感情を映していた。そして、感情が現れるシーンでは超ロングレンズを使い、ECUで画面いっぱいに顔を映し出す。バックグラウンドは完全にフォーカスから外れていて、何があるかすらもわからないほど。120%俳優さんの表情を生かした演出がかなりこだわりがあるように感じた。

ここまでレンズを使い分けたら大変なのが編集。どのショットが一番いいのか選ぶこと。またDOFが急に変わると視聴者も視線を見失うこともあるので、ベストのタイミングで映らないと、せっかくのECUに無駄な数フレームがでてきてしまう。残念ながら、ベストな編集ではないのかなと思ってしまいました。なぜか電車で手術に向かうシーンでは180ぶち壊してるし、CU→ECU→Mediumはちょっと冷めてしまうような流れだったかなと思いました。

ストーリーは、事実に基づいたストーリーですが、かなりドラマチックで、日本人にはハマるんじゃないかなと思いました。オスカー目前だったEddie Redmayneと助演女優賞のAlicia Vikanderという今最も勢いのある演技派俳優たちが最高の働きをしてました。譲れないものが二人ともにあり、そこはブレないながらも、恋愛や仕事で揺れ動く二人の感情が色濃く現れていた。

リリーのすべて
このタイトル考えた人は、イブのすべてからとってきたのか、なんなのか。The Danish Girlもすこし意味わからないけど、もうちょっといいタイトルあって欲しかったかも。
EditingTellUs

EditingTellUs