MasahiroOhta

ふたつの名前を持つ少年のMasahiroOhtaのレビュー・感想・評価

ふたつの名前を持つ少年(2013年製作の映画)
4.1
終止悲惨なところばかり描かれるのかと思いきや、ユーモラスだったり、子供らしい表情や行動やおどけみたいなところもちゃんと描かれてて、だからこそ逆に落差がキツかった。

それにしてもこれが実話ベースなんだなぁと、暗嘆たる気分になった。
思ったのは、実はこの作品にいわゆる「悪人」が全くといって良いほど出てこないということ。というか、どの登場人物もあえて完全な「悪人」として描かなかったというべきか。
SS隊員はただ職務に忠実なだけだし、ドイツ人医師も「ユダヤ人は人類における害悪」と思って手術をしない。強いて言うとユレクを荷馬車に載せて売り飛ばしに来た老夫婦くらいか。

つまりは「どんな集団でも、ユレクのような弱者を迫害する立場になりうる」ということだろう。
そういうとこ大事。
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