ヤマト

TAKING CHANCE/戦場のおくりびとのヤマトのレビュー・感想・評価

3.8
とても短い映画で、80分もありません。
イラク戦争にて死んでしまった仲間の兵士と遺品を家族の許へ届けに行くというシンプルな話。

主人公はその送り届ける仲間の兵士と生前面識があった訳でもありませんでした。
主人公自身安全なところで事務仕事をしていたため、戦争中の回想なんかもありません。家族がいるし、と安全なところにいたことへの罪悪感から兵士を家族の許へ送り届けることを志願したのですから。

なので、戦死した人物の話は、生前彼を知っていた人から話で聞く程度。
ほとんど彼に感情移入など出来ないのですが、色々深く考えさせられました。

最近涙腺が緩くなったせいもあるかもですが、家族が遺品を受け取った時に、肩を震わせて泣くのを堪えていたシーンでもらい泣きしてしまいました…。
戦争の辛さやむごさ、残された人たちの思いを思い知ることができました。

それでもその彼を弔う一貫で誰もが彼をとても丁寧に扱い、とても誇りに思っていたように見えました。
1兵士としてとても尊重され、ある意味とても美しい映画だったと思います。

主人公の演技も凄く良かったですね。
僅かな感情、表情の違い。
些細な部分ですら繊細に演技されていたと思います。

面白さなどはないけれど、心に響く良い映画でした。
ヤマト

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