弟二郎

軽蔑の弟二郎のレビュー・感想・評価

軽蔑(1963年製作の映画)
4.4
映画を終わらせてしまったNGF『8 1/2』のあとを受けるように序盤いきなり「映画は終わった」。モノクロの彼の傑作に対し鮮やかな天然色で彩られた本作はまるでこれからの映画を背負ってみせようというJLGの決意表明のようにも思え。
音声スタッフロール。ラウルクタール大写し。言葉の拙さを象徴するかのような通訳越しのダイアローグ。BBの声と紺色のヘアバンド。ミシェル・ピコリの帽子とタイと、ラングのラングの金言集。アントニオーニ情事的磯。円盤投げがもうこれわろた。
冒頭ベッドのBBのケツはあとで入れさせられたんだとか。それ聞いてほっとしたり。あれいらんと思ったものな。イタリア旅行な実生活を準えたようなイタリア旅行的状況下でのイタリア旅行鑑賞。自らの嫁を思わすこの役にラストこの仕打ちかと。
メロすぎに思える音楽も間を持たすし総じてメロドラマには堕ちていかないのがゴダールさんさすが。おまけにラストはラングゴダール揃い踏みからのミゾグチミゾグチ山椒大夫。
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