女子更衣室を盗撮し教職を退いた権藤が、キャバクラ嬢のみはりをつれて10年ぶりに帰郷することから始まる群像劇。
舞台は茨城の水戸。登場人物全員どうしようもないダメ人間なんだけど、田舎が茨城の私はこんな人達まじでいるわ…と思う土着感溢れる憎めなさがある。
しかしダメ人間ばかり揃うと事態は悪化する一方。みはりや盗撮ビデオの取り合いは、観ている側からすると悲劇がそれこそ一回転して喜劇のようにみえて苦笑いしてしまう。
オープニングで権藤の「現在の私」とされ映し出される巣の中の雛。エンディングで明らかになるその本来の意味にはかなり驚かされたが、なぜか不気味ではなく爽やかさすら感じた。不思議な作品。
178/2016