そーた

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのそーたのレビュー・感想・評価

5.0
スター・ウォーズ熱

今年も残すとこあと僅か。
年末の忙しさは相も変わらずです。

ただ、去年に引き続いて、
僕のわがままを職場のみんなが後押ししてくれたおかげで、
またもやSWの公開日に無事、
遥か彼方の銀河系へと旅立つことが出来ました。

去年のEP7の時は朝からソワソワと落ち着かず仕事が手につかなかったのを覚えています。

が、今回はどこか落ち着いた自分がいました。

世界同時公開という一大イベントだった前作とはうって代わり、
扱いとしては普通のハリウッド映画。

シリーズ初のスピンオフということもあって、
どう作品と向き合っていいのやら、
これが正直な気持ちでした。

映画の予告がやたらとディズニー押し
なのも去年とは違った雰囲気。

だから、普段映画を見る時のようにリラックスして椅子に寄りかかっていると、
さぁ、お決まりのルーカスフィルムのロゴが画面に写し出されます。

あぁやはり、この瞬間。
うん、紛れもなくスター・ウォーズでした。

そうして、本編が始まってみれば、
もう身を乗り出して、唸り声をあげながら画面に釘付けになっている自分がいました。

いや、ポップコーンがここまで進まなかった映画は正直初めてです。
食べている暇が本当におしかった。

あっという間の130分。

未だかつて誰も目にしたことのない全く新しいスター・ウォーズが、
紛れもない旧3部作のセンスとクオリティを纏って、
圧倒的な熱気を放ちながら、
あの手この手で僕の涙腺を責め続けて来るんです。

見終わった後にここまで泣くかと思うくらいに泣いて、
しばらく立ち上がれなくなってしまった。

スター・ウォーズ作品としてはあまりに異色で、
まさかここまでの作品が見れるとは思いもよりませんでした。

個の力に焦点を当ててきた従来のスター・ウォーズとは明らかに異なっていて、
今までスポットが当たる事のない脇役達に活躍の場が与えられている。

今作で活躍する戦士達は、
圧倒的なヒーローが不在だからこそ、
何だか自分達と幾分か近しい存在に思えてしまって、
だからこそ彼らを通じてスター・ウォーズの世界に一歩足を踏み入れたような気がしてしまうんです。

言うなれば、
スター・ウォーズをより身近に感じる事が出来る。

これこそが、今回のスピンオフ企画での最大の功績だと思います。

そして正史から見れば、
今作は決してその世界観を拡張するわけでもなく、
どちらかと言えば今までの世界観を補足する、
云わば世界観に深みを持たせているような存在。

旧3部作では描かれなかった帝国支配の様子だったり、
没落したジェダイがどう扱われているかだったり、
改めて実感出来たデススターの恐ろしさや、
ローグという言葉の由来など、
こういった描写は後のエピソードを説明的に描き付加価値を与えているように思えます。

また、ジン・アーソ、キャシアン・アンドー、ベイズ・マルバス、チアルート・イムウェ、ボーディー・ルック、ソウ・ゲレラ、K-2SO、ゲイレン・アーソ、オーソン・クレニックなど、中心となるキャラクターはどこか今までのスター・ウォーズには出てこなかった負い目や弱さ、後ろ暗さを抱えている。
それが何とも言えず、妙に味がありました。

彼らの思いや生き様がスター・ウォーズの世界観をリアルなものにし、
そしてそこに血を通わせているようにも感じてしまいました。

何よりもファンとしては嬉しいのが脇役キャラの登場。

ウィルハフ・ターキン、モン・モスマ、ジャン・ドドンナ、ベイル・オーガナ、ドクター・エヴァサン、ポンダ・バーバ、オスレオ・プレナート、テン・グラニート、ガーヴェン・ドレイス、ジョン・ヴァンダーなど。

いつもいつも、一瞬しか映らない彼らが何だか今回は生き生きとしていました。

そう。
スター・ウォーズの最大の魅力はここなんです。

どんな一瞬しか映り込まないキャラにも名前やバックグラウンドがあって、そういう脇役が無数に集まることで世界観が支えられている。

今回の作品で敢えてそんな脇役にスポットを当てることで、
今までのスター・ウォーズを多面的に捉えることができ、
また世界観の裏側をも垣間見ることが出来る。

だからこそローグワンを見たあとでは今までのスター・ウォーズから全く違った印象を受けるはずなんです。

デススターも、ローグも、ジェダイも、反乱軍も、帝国軍も、
これからは全てがローグワンという作品へと収束して行って、
そしてそこからまた発散していくように思えてなりません。

その過程で付加されたものとは、
血の通った人間が内に抱く想いや野心などの確固たるメンタリティー。

それは、今までのスター・ウォーズで、
描かれていたようで実はあまり描かれてこなかった、誰しもが奥底に秘めている熱気と呼べるもの。

それをファンとしてしかと受けとめ、
そして激しく共鳴してしまった2016年12月16日は、
僕にとっては忘れることの出来ない記念すべき一日となりました。

ありがとう、職場のみんな!

そして、ギャレス・エドワーズ監督にフェリシティー・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、フォレスト・ウィテカー、マッツ・ミケルセン、ドニー・イェン、チアン・ウェン、リズ・アーメッド、ベン・メンデルソーン、アラン・テュディック、その他ローグワンに関わった全ての人達、
本当にありがとう!!

そして何よりもジェームズ・アール・ジョーンズ。
お帰りなさい。

僕のスター・ウォーズ熱はまだまだ冷めそうにありません。
そーた

そーた