かーくんとしょー

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのかーくんとしょーのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

地上波で初観賞。見る前は、旧三部作がやはり良いと思っている者として、怖いもの見たさと期待と半々といった感じだった。

見終ってみて、結論から言えばとても良い出来であり、旧三部作ファンも確実に楽しめる作品になっていた。
エピソードⅣにそのまま繋がるよう、レイアやターキンをCGで蘇らせた演出は感涙もの。

そして新キャラクターたちも、シリーズ屈指の魅力的な面々が揃っている。特に良かったのは、盲目の僧侶・チアルート、イケメンドルイド・Cー2SO、そして何よりモン・カラマリの英霊・ラダス提督。
チアルートはとにかくクールだし、振り返ってみるとシリーズに被るキャラクターはいなかったなと、キャクターデザインに思わず拍手。
Cー2SOは他のドルイドと比べるとちょっとレベル高すぎ感はあるが、デザインは素晴らしいし散り際も見事。そして、全体的に希望がなく暗いストーリー展開の中で、度々口角を上げさせてくれる皮肉な台詞回し。とにかく気が利くデキる子。
ラダス提督は、後に戦艦にその名を残す英雄。優れた指揮官であるだけでなく漢気にも溢れていて、ローグワンたちの単独での特攻を知り、独断ですぐに追随したシーン、何気ないシーンだが本作中で最高にワクワクした瞬間だった。

ストーリーは、エピソードⅣ直前の〈スカリフの戦い〉を描いたもので、Ⅳで鍵となるデス・スターの設計図を入手する戦いが描かれる。
結末はこれでもかというほどのバッドエンドではあるのだが、それでも名もなき英霊たちの手で希望(設計図)のバトンが渡されていくところに、鑑賞者の心は大きく救われる。
フィクションを現実に当てはめるのは好きではないが、戦争に限らず、あらゆる出来事の裏には表に名を残さない者たちの存在と意思があって、そういう場所にスポットライトを当ててくれた本作品は、スピンオフ作品の鑑のような作品だと思う。

最後に非常に個人的なマイナス点として、主役の二人を演じたフェリシティ・ジョーンズとディエゴ・ルナがあまり好みではなかった。
前者は、近年のハリウッドのジェンダー的な配慮からか、強い自立した女性=格好良い!というイメージの押し売りと感じてしまった。強いというよりワガママで短絡的に突っ走っている印象が強く、むしろ女性=感情的という古めかしい偏見を強めているような気が……。
後者はただただ印象が薄い。新キャラクターだらけで彼にばかり時間を割けないのは不幸だったが、それにしても魅力が伝わらなかった。演者さんも、格好良いがルックス的にインパクトがあるタイプでなかったため、尚更そう感じてしまったのかもしれない。

written by K
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