ゆっきー

小原庄助さんのゆっきーのレビュー・感想・評価

小原庄助さん(1949年製作の映画)
4.0
最高。大河内伝次郎が、お人好しのダメ地主役なのだが、ダメすぎてもはや笑えないレベルに達してて狂気すら感じる。
なのにいとおしい(笑)
ラストを含め『アキレスと亀』にそっくり。
伝次郎が、寄付したミシンを「ふーん、こんなんなんだ~」みたいな感じで弄ってると、それを見てた女学生達が絶妙なタイミングで笑うのたが、あのタイミングは演出不可能。どう考えても彼女らは小原庄之助でなく、伝次郎に笑ってる。
清水宏の映画にはそういう瞬間が残っている。
例えば『簪』で、少年が明日の日記まで書いているのを笠に指摘されて、毎日がいかにルーティンかを語り反論するシーンなんかも、あの少年の台詞のもつれ方は、明らかにその場で思いついたこと言わせてるとしか思えないもんな~
伝次郎がロバに乗ってるシーンや、子供達にロバをあげちゃうシーンなんて、すげぇロッセリーニを感じたのだが。
やっぱり、作り込まれた巧さとドキュメンタリー性の同居が魅力だわこの人の映画は。
ゆっきー

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