小原庄助さんの作品情報・感想・評価

小原庄助さん1949年製作の映画)

製作国:

上映時間:97分

ジャンル:

3.9

「小原庄助さん」に投稿された感想・評価

kaomatsu

kaomatsuの感想・評価

4.5
貴族や名家の没落劇というと、どうもルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』のような、重厚かつ退廃的なイメージを思い出してしまうが、清水宏監督の『小原庄助さん』は、没落地主でありながら、根っからの楽天家でお人好し、悲壮感などこれっぽっちもなく、大好きな朝風呂に入りながら、マイペースで人生を謳歌している。不審人物が家に侵入しても、投げ飛ばしたかと思ったら、最後は一緒になって酒を酌み交わし、相手に同情してるし…。コメディでも悲劇でもなく、こういう大らかな人物を淡々と描いた作品を観るにつけ、やっぱり映画はこうでなきゃ、と思ってしまう。ジャン・ルノワールの作品にも通じる、人間賛歌。悲劇の剣豪・丹下左膳の役で有名な大河内傳次郎が、まるで正反対ともいえる“萌え”キャラ・小原庄助さんを演じるところが、最大のキーポイントである。日本映画の隠れた傑作。
じょり

じょりの感想・評価

4.1
①幅広い鑑賞対象年齢を感じさせる、子どもとのやり取りに毎度ほっこりさせられる清水監督あるある度 100%
②風見章子の、カメラが多少下からのアングルからのラスト、泣ける嫁度 95%
③ほとんど人から頼まれて、村の発展のために財産を使い果たした結果が素寒貧なんて、、、まして泥棒と一献とか…とにかく主人公の器のデカさ ∞
最高。大河内伝次郎が、お人好しのダメ地主役なのだが、ダメすぎてもはや笑えないレベルに達してて狂気すら感じる。
なのにいとおしい(笑)
ラストを含め『アキレスと亀』にそっくり。
伝次郎が、寄付したミシンを「ふーん、こんなんなんだ~」みたいな感じで弄ってると、それを見てた女学生達が絶妙なタイミングで笑うのたが、あのタイミングは演出不可能。どう考えても彼女らは小原庄之助でなく、伝次郎に笑ってる。
清水宏の映画にはそういう瞬間が残っている。
例えば『簪』で、少年が明日の日記まで書いているのを笠に指摘されて、毎日がいかにルーティンかを語り反論するシーンなんかも、あの少年の台詞のもつれ方は、明らかにその場で思いついたこと言わせてるとしか思えないもんな~
伝次郎がロバに乗ってるシーンや、子供達にロバをあげちゃうシーンなんて、すげぇロッセリーニを感じたのだが。
やっぱり、作り込まれた巧さとドキュメンタリー性の同居が魅力だわこの人の映画は。
没後50年メモリアル
孤高の天才・清水宏
@シネマヴェーラ
一

一の感想・評価

-
シネマヴェーラ。
ちょっと寝ちゃって、起きたらおじさんが泥棒2人を背負い投げして空っぽの家にもてなしていた。「なんで身上つぶした~」みたいな歌がやたらと頭に残った。
ルー蔵

ルー蔵の感想・評価

4.5
スーツの奴らもいれば着物の人も普通にいる。コーヒーとカステラを出されても食べ方が分からない。
そういう外国文化が田舎に流れてきた時代の話。

闖入者と酌み交わすシーンは悲しい。
清水宏『小原庄助さん』シネマヴェーラ渋谷。
度重なる美しい横移動が、ジャン・ルノアールのような緩やかなドラマを形作っていく。大きな旧家の話だけに、その効果は絶大だ。人がよくユーモラスに磊落していく大河内傳次郎がすばらしい。その妻・風見章子の品格ある佇まい、ふたりを見守る飯田蝶子の暖かさも♡
tonkara

tonkaraの感想・評価

4.0
自宅にてDVD。去年は最悪の年だったので今年は良くしたい…と思いつつ選んだ。微妙に不思議な映画だったが、「終」でなく「始」で終わる。うむ、何とかなりそうではないか。

このレビューはネタバレを含みます

これは忘れ去られた名作だ!
(有名だったらごめんなさい)

清水宏監督作品は初めてだったが、なんと良質な作品だろう。
1949年の作品とは思えないほど、洗練されていて驚きました。

山中貞雄、小津安二郎、溝口健二が「天才」と絶賛する理由は『小原庄助さん』を観れば一目瞭然。

題材はよくある全時代な話だが、清水監督の現代的な感性が脚本、演出、撮影に色濃く感じられる。

小原庄助さんのキャラクター造形も完璧。
育ちが良くてお人好し。
家柄に縛られながらも飄々と。
そんな憎めない庄助さんが、おだてられてのせられて、どん底まで落ちていく。

だけど庄助さんは、そのどん底で押し入った強盗にすら酒を勧める。
この底抜けのお人好しに観る者は涙を禁じ得ない。


小原庄助さん
なんで身上つぶした
朝寝朝酒朝湯が大好きで
それで身上つぶした
あゝ尤もだ尤もだ

小原庄助さん
なんで身上つぶした
お馬にお神輿おだてに乗るのが大好きで
それで身上つぶした
あゝ尤もだ尤もだ


この唄も完璧。
前半のコミカルで楽しい人情劇にぴったりな滑稽さ。
しかし後半は、皮肉が痛いほど効いた唄となっている。

財産整理中に酒に酔いながら芸者にこの唄を歌わせるなんて…
しかもこの後に更なる追い討ちが!
「監督!これ以上、小原庄助さんをいじめないでよ!」と叫びたくなるほど、登場人物を甘やかさない演出に感無量である。

1949年といえば、戦後間もない
GHQによる日本大改造時代。
その時代における旧時代的な家柄の否定といえば大袈裟だが、そんなことより単純に、縛られた男が地獄めぐりを通して本当の自由、そして本当に大切な事を見つけていくこの物語は、絶対にどの世代にも愛されるに違いないと、俺は思うのだ。

すべてを失い、旅に出た時の、あの高く清々しい青空!
身軽になった小原庄助さん!
その後には、出て行った妻のおのぶが!

そして通常なら「終」だが「始」の文字!

小原庄助さんは始まったばかりなのである!

清水監督!粋過ぎるよ!



DVDにて鑑賞。
rico

ricoの感想・評価

3.0
撮り方が凝ってる。
話もきちんとした話だし、クサイながらも傳次郎も悪すぎるわけじゃない。

でも清水宏の伸びやかさがあまりでてない気がする。

全体的にのんびりした日本らしいお話なところはなんかホッコリします。
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