小原庄助さんの作品情報・感想・評価・動画配信

「小原庄助さん」に投稿された感想・評価

家柄より人柄とはまさに。
大河内傳次郎は時代劇俳優のイメージだったが気前の良いとぼけた元地主がかなりハマり役。ついたあだ名は小原庄助さん。
戦後の農地改革による地主制度の崩壊をユーモアと悲哀をもってシニカルに描いてる。美しいドリーやミシンと木魚のカットバックの面白さなど相変わらず清水宏監督の映像は秀逸。「陸軍」など観ても思うが日本家屋って本当に横移動のカメラ向きでうっとりする。
家財を競売にかけられても怒らない小原庄助さんに逆にこっちが切なくなる、からの柔道に痺れた。
チャップリンの某映画のようなラストと“始”も好き。地味ながらかなり良作では〜
t

tの感想・評価

4.5
酒と家柄と人の良さに縛られた通称小原庄助さんが紡ぐユーモア&ペーソス。久々に清水宏観たがどのカットもカメラ位置最高だ。ミシン→カメラ左方向移動→金貸しの名刺→カメラ右移動→ミシンの流れもアガる。ミシン教室(講師:清川虹子)と読経を同カットで隣接・競争させる映画など見たことない。コーヒーしか出ない披露宴、グダグダ選挙演説に笑う。一方で画面からふと人間が消え、ロバが一匹畦道を歩いていくシーンは映画史上語り継がれるべき美しさだと思う。
zhenli13

zhenli13の感想・評価

4.4
また素晴らしい清水宏作品を観てしまった。大好きだ!
太宰の『斜陽』をふと思い出したのだけど、これは滅びの賦である。封建社会の終焉をただただ眺め、寧ろ進んで滅ぶかのような大河内傳次郎の小原庄助さん。芝居気の無い芝居がとても好い。風見章子、飯田蝶子も好い。
部屋の間取りを縫うパン移動はいつもに増して深奥である。平行横移動ではなく、斜め奥から手前へ、手前から斜め奥へ。美しい。どうやって撮ってるんだろう…
小原庄助さんが山をバックに野球チームと記念撮影してるショットとか、そもそもロバに乗ってる小原庄助さんの絵面が好すぎて反則。小原庄助さんと和尚とロバの脚だけ映すショット。ロバだけが歩くロングショット。雇われ作品であっても清水宏は清水宏である。

それだけでは終わらない。大河内傳次郎をキャスティングした意味がラスト近くにもいかんなく発揮される。この展開に思わず笑い泣きしていた。大河内傳次郎a.k.a.小原庄助さんに拍手。
ミシンと木魚とお経のマッシュアップ。

ロバに乗ってるのはアメリカ映画っぽいなぁと思っていたらブックレットにはジョン・フォード『若き日のリンカン』のようだと書いてあった。みてないな…

集中力が足りなくて横移動の対称性とかにちゃんと気付かない自分に若干苛立つ。まぁ別に研究者でも学生でもないしとお茶を濁しておく。

最後はちょっとキッズリターン思い出しちゃったね。

戦後の農地改革による豪農の没落が背景にあるようだ。
Hiromasa

Hiromasaの感想・評価

4.5
小原庄助さんがお金もないくせにこんなに気前がいいのは、村の人たちとの関係と長年の習慣によるのであって、しかしだからと言って彼が人々を愛していることに変わりはない。というか、愛もまた他者と歴史に規定された身振りであることがこの映画では描かれている。そしてそんな小原庄助さんが最後、泥棒を投げ飛ばす。これを見ると小原庄助さんは実は「最強の男」なのではないかと一瞬思ってしまうが、それは単に彼が柔道が得意だったというだけのことであって、無一文で街道を歩いていく小原庄助さんはヒーローでもなんでもないただの人である。だからこそ妻が彼のあとをついて来ることがひとつの奇跡として感動的に見える。序盤、妻に「あなたってどういう人なんでしょうね」と言われ、「どういう人って、こう、これだけのもんさ」と言う夫。この「こう…」という微かな言い間違いが帯びるユーモアが映画の全篇を覆っている。
Nao

Naoの感想・評価

3.0
名家の元地主があれよあれよと落ちぶれていく。ロバに乗って散歩する小原庄助さん。小津らしい雰囲気もあるけど、横移動のショットとかもあって少し違った審美眼を持ってるような印象。
いいなー これ。
最近ようやくわしも大河内傳次郎の魅力がわかるようになってきたんじゃ。
空き巣を撃退する時の背負い投げのキレの良さ。虚飾が剥がれた後に残るもの。
か

かの感想・評価

5.0
最高の映画。どのカット、どのシーンもすばらしい。
個人的には、ロバが1人で家に帰るところ、結婚式帰りのバスが止まるところ、ラストシーンの切り返し。白黒なのに、パリテキサスのような空の青を感じた。

焦らないお話の進め方も独特ですばらしい。
ラストカット、最高。

新たな気持ちで新年を迎えられそうな、年末にふさわしい作品だった。

会津磐梯山の歌詞に出てくる、小原庄助さんとはまた違った、清水監督の解釈による庄助さん。

今まで観た清水宏監督作品の中では、いちばん好み。
コミカルな部分も多め。

小原庄助さん なんで身上
つぶした
朝寝朝酒朝湯が
大好きで
それで身上つぶした
尤もだ尤もだ
杉本佐平太



大河内伝次郎の起用は、素人好みの清水監督としては好まないキャスティングだったみたいだけれど、それが見事に庄助さんのキャラクターにマッチした様子。
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