円柱野郎

シンドバッド虎の目大冒険の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

シンドバッド虎の目大冒険(1977年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

航海から都に戻ったシンドバッドは、旧友の王子が魔女によってヒヒに変えられたことを知る。
シンドバッドは王子を元の姿に戻すため伝説の賢人を頼るが…。

レイ・ハリーハウゼン製作のシンドバッド3部作の最終作。
王子の戴冠式で何かが起こった場面から話は始まるけど、例によって魔術師の陰謀とそれに対峙するシンドバッドという話の構造は変わらない。
王子の姿を戻すために賢者を訪ねたり極地の神殿に向かったりといった流れは、ちょっと行き当たりばったりな感じはするなあ。
というか追いかける側の魔女ゼノビアの行動がどうにも精彩を欠いている気がして、なんかあんまり緊張感はない(苦笑)

登場するクリーチャーはヒヒや角の巨人などが表情豊かに感じられてよく出来ていると思う。
魔女が生み出した青銅のミノタウロスことミナトンは存在感たっぷりで「これはラスボスか?」と思ったのに、話のほとんど船を漕いでいるだけで、後はピラミッドの巨石につぶされておしまい。
けなげに頑張ってたのにかわいそうだなあ。

ハリーハウゼンの特撮映画としては最後から2番目の作品で、コマ撮りと実写を合成した特撮シーンの完成度の高さはさすがのもの。
さすがにカメラワークの不自由さは感じ取れるけど、それでもカットを割ることである程度のスピード感やダイナミックさを出そうという工夫もうかがえる。
とはいえ映画の歴史で言えば、この作品の公開年に「スター・ウォーズ」が公開されたわけで…。
そう思うと、完成されたコマ撮りとはいえ特撮の世代交代の波を如実に感じるところではある。
円柱野郎

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