『忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段（しゅっせのきざはし）』が地上波でも放映されるタイミングで、この「ＮＥＷシネマ歌舞伎 三人吉三」を観なおせて嬉しい。映画館で観たときは、スクリーン狭しと縦横無尽に繰りひろげられる映像と斬新な演出のうえに、大定番の名科白が聴けるのが心地よく、これを生で観られないのが悔しかった。もちろん、翌年の『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』は、歌舞伎座での上演を観に行った。
この頃の尾上松也は、まだ“出たて”という感じだったが、いまや香川の穴を十分埋めてますな。
こういう因果応報な世界は、やはり古典には敵いませんが、ダークな世界を華々しく見せることが芸能の真髄だと感服した次第。また観たい。
