Megumi

僕と世界の方程式のMegumiのレビュー・感想・評価

僕と世界の方程式(2014年製作の映画)
4.0
自閉症の男の子が数学オリンピックで金メダルを獲るまで・・・的な王道サクセスストーリーと思っていたら、いい意味で裏切られた。もっと奥深くてはっきりしなくて解けない、まさに原題「X+Y」のような映画。
どうでもいい台詞がなくて、書き留めたいくらい素敵な言葉がたくさん。しかもそれが後々効いてくるから心にしみる。自分の中の価値を見てくれる誰かがいることの大切さ。
いろいろな要素がある映画だけど、何より母と子の物語のように思った。お母さんの気持ちを考えると本当に辛くて。パンを切る姿、鼻ポテト・・・。だからあのラスト、私は良かったと思う。お母さんとネイサンの再スタートだ。
俳優さんの演技が皆良くて、特に主人公のエイサ君。演技に見えない演技ってこういうのを言うのかなと。そして瞳の綺麗なことよ。すっかりファンになってしまいました。
光と音の演出も印象的。少し「聲の形」を感じる。主人公が見ている景色を一緒に見る感覚になった。
派手さはないし、号泣とは違う。でもじんわり残るような不思議な映画だった。もう一回観たい。
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