ハル

ヒメアノ〜ルのハルのレビュー・感想・評価

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
4.0
ふぅ…消耗した。
まずは当時V6に在籍していた森田剛がこの役を引き受け、全うしきったという事実に尽きると思う。
性的な演出含めこのラインを攻めたジャニーズはかつていたのだろうか。
それほど際どく危うい演出。
しかも森田剛はこういった役柄が似合ってしまうから不思議だ。
纏うオーラは排他的、鬱屈し社会から切り離されたモンスターが醸し出す狂気。
イカれた目付きも合わさり、まさに適役。

イジメを受けた時、復讐して同級生を殺した時、連続殺人犯となった過程、一体どこで彼のタガが外れたのだろうか。
岡田(濱田岳)の話からして、元々は普通な子供だったはずなのに、人の奥底に潜む殺意の波動に震えが止まらなくなる。
誰しも超えてはならない線があり、それを越えてしまったならば …全く別の生き物になる可能性を有しているのかもしれない。

また、他のキャストも迫真の演技を見せてくれており、その中にそれぞれの持ち味を感じられ良かった。
同級生だった岡田を演じた濱田岳もその一人。
どこにでもいそう、でも人の事を考えたりお人好しで優しい感じなところが濱田岳っぽく自然体に映る。
結局ユカが選んだのも彼だったしね。

続いて、ムロツヨシ演じる安藤。
一言で表すと気持ち悪いの極地みたいな役柄、だが芸達者な彼ならではの表現アプローチは流石だった(褒め言葉)
安藤の岡田に対する彼女への質問は女性が聞いたら死ぬほど嫌悪されそうな言葉の数々で引いてしまうが、こういう事聞いちゃう人いるよな〜と感じさせるリアリティー。
この二人のコンビは実に効いている。

森田の"アク"の強さを二人のクッション性のある芝居でバランスを取っている形の本作。描写がキツイので人を選ぶ作品だとは思う…されど飛ぶ鳥を落とす勢いで注目されている吉田恵輔監督の怪作は当然一筋縄ではいかない。
原作もあるようなのでそちらも読んでみようかな。
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