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ヒメアノ〜ルのsaのネタバレレビュー・内容・結末

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

※原作のネタバレもあり

大分前に原作を読んでかなりの衝撃を受け、その後映像化と知り、待ちに待って公開初日に鑑賞。

安藤さんいちいち吹く。
ユカちゃんちょっとキャラ変わり過ぎだけどまぁあえてか。エロい。
濱田くん安定。
森田くん…まじか。

そして例の描写もR-15とあってまぁ〜エグい。かなり攻めたな〜という印象。
どれもキツかったけど刺殺シーンはもう本当勘弁してくれってくらい生々しい。
うますぎて「ひぃ〜」となる。

原作は岡田と安藤と森田の生活をわりと丁寧に辿っていきながら交差していくのでそれを2時間に収めるとなるとまぁこんな感じになるのも納得。
タイトル出るタイミング、良い。
殺人とアレの動きのリンク、うまい。
そう、映画として決して悪く無い。

…ないんですが、ひとつだけ…
映画のレビューに原作との差異について出すのは野暮と分かっていながらもどうしても気になってしまったのが…
この映画の中の森田、原作の『ヒメアノ〜ル』の森田とは大きく違うんですよね。

やってる事同じなんですけど、違う。でも漫画と違ってモノローグとか無いし、台詞も少ないし、時間も無いからどんどん行かなきゃだし、色々改変するのは当たり前。
それは仕方ないと思って観ていたらまさかの後半映画オリジナル設定がガッツリ入って来て、しかも内容が内容だけに「んんん⁇」って言う。

映画版では森田があぁなったのはいじめが原因で、昔は『普通』の『良いやつ』だったけど、そのせいで徐々に変わってしまい、最終的にはまるで二重人格のような、精神分裂病的なものになってしまった…という流れ…。


しかし原作の森田はいじめ主犯だった河島を殺すところから殺人行動がスタートするという大きなきっかけであるのは事実ですし、序盤ではお前が原因なんじゃ無いか、なんてモノローグもありますが、でも、

自分は『元からそういう人間』だった。
『普通』じゃなかった。
自分は『元から病気』だ。
でも『普通』ってなんだ。
『病気』ってなんだ。
誰が決めたんだ。
じゃあ元からこっち側に生まれてしまった人間はどう生きれば良いんだ。

っていう『普通側の人間』への訴えがズンズンと迫ってくる作品だと思って読んでいたので、森田が(あくまで自分なりにとはいえ)自分の事を探して考えて行き着いた先があそこだった、っていうなんとも言えないやるせなさを映像で魅せてくれることを勝手に期待してしまっていた私からすると今回の映画版の改変はどうしてもうーん、となってしまったのでした。


まぁしかし。
映画は映画。
パンフも買ってないしあえて変えた監督さんのお考え等も全く知らないし、そもそも原作についても私の読み方が全てなわけでも無いだろうし、最後の「また遊びに来てね」にはちょっと涙ぐんだし←…

うん、初めからまっさらな気持ちで別物として楽しむべきだった。
気持ちの持ってき方を間違えました。
無念。
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