紅蓮亭血飛沫

シンクロナイズドモンスターの紅蓮亭血飛沫のネタバレレビュー・内容・結末

2.1

このレビューはネタバレを含みます

自分と怪獣の動きがリンクしている、という面白い設定が光る本作ですが、全編通してみると怪獣の出番が控えめ気味だったので、その点に惹かれて鑑賞した身としては少々残念…。
その事実に気付いた主人公が、軍の上層部とかそういうところに駆け込んであれこれやるのかと思いきやそういうのでもなかったんですねこれ…。

と思った矢先、まさかの巨大ロボットも登場!
怪獣とロボットがその場に集う様は、この手の特撮ものが好きな私としてもニヤりとさせられました。
そこからの怪獣による文字起こし、ロボットへのビンタ等々、愛くるしい仕草が描かれる様もコミカルで面白かったです。

ところが中盤以降、物語の流れはガラッと変わり、幼き頃から主人公へとDV・パワハラ気質の兆しがあるオスカーによる欲求の解放を止める主人公の奮闘っぷりへとシフト。
ここで問題なのは、いがみ合いになり殴り合う事となるグロリアとオスカーの様子から、二人とシンクロする怪獣とロボットも同様の動きをする=怪獣とロボットが出現する場所において人的被害が出ている…という環境を描写出来ていない事。
スマホ・タブレット越しに現地で何が起きているか確認するモブはいるのに、その“現地の光景を見せてくれない”のが何とももどかしい。
その後にオスカーが怒って何歩か歩く(ロボットが現地において移動しているため、無差別に人が襲われている)シーンも、これまた現地における被害状況等を見せるわけでもない…。

怪獣要素に惹かれて鑑賞したものですから、その怪獣があまり登場しない、出てきたとしても画面に映さない、という結果を前に肩透かしな気分に。
とはいえ、怪獣の仕草は愛嬌があって可愛らしく、まさかの巨大ロボットも登場したりでこの手の要素が好きな身としては嬉しいものが見られたのも事実です。
敢えて言うなれば最終的な決着なのですが、オスカー殺してませんかあれ…?
怪獣と自分の動きがシンクロしている事に気付いたグロリアが、自分のせいで人的被害が出ている事にショックを受けていた様子が描かれていたわけなので、尚更そういう点には敏感なのだろうと思っていたのですが…。
設定といい色々と期待値が高かったのですが、需要と供給が微妙に噛み合ってないような中途半端さが見受けられる作品でした。