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二ツ星の料理人のaiztunoのネタバレレビュー・内容・結末

二ツ星の料理人(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

テーマがささった。革新的なことを生み出すリーダーの孤独や怖さがレストランのシェフを通して表現されている。ミシェラン三ツ星になるためには、新しいことに挑戦し続けないと辿り着けない。提供する料理に驚きや新鮮さがないと世界最高峰の評価は貰えない。それを、主人公は「味の一貫性は死」とまで言い切る。これは、芸術家や科学者など、新しい価値を生み出すリーダーには普遍的にある苦悩だと思う。

本作では腕は立つが仲間を信頼できなくなって失敗したシェフが、再起をかけて挑戦をするが、理想のチームを作るのは難しい。主人公は「七人の侍」を例に出して、能力を持った傭兵集団を集めようとする。けれども、人を駒として使う形で、厨房では殺伐とした雰囲気につつまれてしまう。

でも、自分のことを理解してくれる同志が生まれ、お互いに高め合う競争相手にも恵まれ、仲間に頼ることが弱いことではないことを理解し、だんだんとトゲトゲが取れていく。本当は、ここら辺の人物像がもうちょっと掘り下げれたらもっと良かったんだけど、全体の流れはしっかりとしていたと思う。
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