Ayakashd

64 ロクヨン 後編のAyakashdのレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 後編(2016年製作の映画)
3.7
娘を持つ3人の男。その運命が交錯する。前編が警察組織や事件そのものをダイナミックに表現するスピード感のある作りだった一方で、後編では疾走感はそのままに、よりこの3人の男の向かう先にフォーカスされていった感じがあった。
印象的なのは、娘を助けるために目崎が車を飛ばすシーン。半狂乱の目付きで真っ直ぐ、または右折、またはUターンを切る、その姿に64のときの雨宮が重なるが、目崎が辿り着いた空き地に佇む雨宮の姿は、まさに映像の通り、雨宮が何かに到達したことを隠喩していて。目崎が追い詰められたこととの対比が鮮やかだ。
そこへ飛び込んでくる三上はまだ、途上を疾走している男として描かれる。
そのあたりの、三者三様の絶妙な描き分けが、あとからあとから、噛めば噛むほど、な感じで滋味深い。
いやー。力のある映画だった。
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