とても良かった。同じ父親から生まれた別々の家の兄弟達の対立は『荒野の決闘』のようであり、西部劇的な細部を描きながらも（侵入者に対するpropertyという警告）クライマックスはあくまで静謐。マイケル・シャノンの背中にある散弾による傷痕に来歴がないのもよい。

相手方の三男のいかにも粗暴な顔が十代らしい細い身体にのっかってるのがよかった。

父の死を機に離れていた兄弟が集まる。もともと疎遠だった兄弟が葬式を機にまた対立しあう。

アメリカのかた田舎で平和に暮らしていた男たちのスイッチが入って一気に物語が動く、複雑な家庭事情もありながら保っていた均衡が崩れる。

我慢していた怒り憎しみの感情の矛先は暴力と銃。

静かなドラマだけど、これ永遠に連鎖が続くのでは？というやるせない気持ちに襲われる。

ラストシーンを観てもまたなにかそのうち起こるのでは…？と思ってしまうよ…

寡黙で感情を押し殺した男を演じるマイケル・シャノンがすごく良い。

• #DVDBlurayVHS保有_みむさん
• #日本未上陸映画ベスト◯◯_みむさん

Shotgun Stories 2007年作品
6.5/10
ジェフ・ニコルズ監督脚本
マイケル・Ｊ・シャノン　ダグラス・リゴン
バーロウ・ジェイコブズ　ナタリー・キャナディ
『テイク・シェルター』、『MUD -マッド-』のジェフ・ニコルズ監督の
長編デビュー作。
　自分を捨てた夫を憎む母親によって、父親を憎むように育てられた三兄弟、サン(シャノン)、ボーイ(リゴン)、キッド(ジェイコブズ)。
父親の葬儀の場で、サンは死者に容赦ない言葉を浴びせ、棺に唾を吐く。
それをきっかけに腹違いの三兄弟と四兄弟のあいだで復讐が繰り返されていく。
南部のホワイトトラッシュの殺し合い。
マイケル・シャノンはその後もテイク・シェルターで起用されているので、
ジェフ・ニコルズと息が合っていたのかと思われる。
親に要らないことを吹き込まれると子供が不幸になる。
親として気を付けたい。