「ソー:ラブ&サンダー」「ジョジョ・ラビット」で知られるタイカ・ワイティティ監督の長編デビュー作。
ユーモアたっぷりの彼らしい、とても風変わりな、ヘンテコゆるゆるラブストーリー。
ファストフード店で働く、不器用で孤独な女性リリーは、常連客のジャロッドに恋をする。ある日、復讐の為に故郷に帰ると言い出したジャロッド。リリーは彼について行く事を決意するが—— 。
ジャロッドがヤバ過ぎるッ!!
リリーがヤツの何処に惚れたんだかわからないが、パッツン前髪の風貌も、利己的で自分勝手で頭がイカれていとしか思えない性格も、何もかもがヤバい。
高校時代のいじめっ子に誓った復讐。決闘を申し込み、その日まではひたすらアホらしい特訓をするジャロッド。彼の思考回路は小学2年生ぐらい。いや、小2に失礼か。
まぁ、リリーも変わり者なんだけど。
くじ引きで1名クビになるという状況で、見事「Lily」と書かれたくじを引いてしまう彼女だが、店のゴミ箱には「Lily」としか書かれていないくじが何枚も…。切な過ぎる。
ジャケ写は、ジャロッド主催の仮装パーティーの1コマ。鷲をこよなく愛するジャロッドと、サメに扮したリリー。この仮装は何とも可愛いんだけど。
エ?
付き合ってたっけ?
と思う程、短期間でフラれるリリー。
ジャロッドがなかなかのクソ野郎で笑える。
タイカらしい、細かな笑いのエッセンスが其処彼処に光っているし、OPや途中に挿入されるストップモーションアニメのセンスは最高。監督自らもちょこっと出演。
でも、タイカと言えば「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」が最高に好き。そこまでの面白さには至らないかなぁ。
強めのニュージーランド訛りも本作の特徴。
matterは"ミーター"、
personは"ピーソン"。
例えば、「It doesn't matter.」が"イット・ダズント・ミーター」となる。英語の訛り大好き人間としては興味深いリスニング教材。