ひろぱげ

高麗葬のひろぱげのレビュー・感想・評価

高麗葬(1963年製作の映画)
3.2
韓国版「楢山節考」かなと思って見てたら、やはりとんでもない劇薬だった。

母親の連れ子として継父の家にやってきてみれば、そこには極悪非道な十人兄弟がいて、恐ろしい目に逢わせてくれる。(しかも、以後三十年に渡る因縁!!しつこすぎる)
さらには、障害者への差別偏見は剥き出しだし、貧困、飢餓、口減らし、親孝行や年寄りを敬う儒教の思想なんてあったもんじゃない、まさに生きるか死ぬかの壮絶な駆け引きが連続。村の占いババア=巫堂(ムーダン)の怪しい儀式も見ものだ。村人はこのババアのお告げと呪いの古木を絶対的に信仰してやまない。

姥捨のシーンでは、捨てられた母親が帰ろうとする息子を何度も何度も何度も呼び止めては戻って来させるので「もうこれコントやろ?」と思って笑っちゃった。最終的には無事に(?)鷲の餌になって魂は天に登ったわけだけど。

インド映画も真っ青の衝撃のラストはもう力技すぎて言葉が出ない。そうだよな、そうなるよな。
ハイパー昔話的めでたしめでたし・・・。

映像の欠落(フィルム破損らしい)があり、途中2回にわたって各10分近く(結構長い!)画面が真っ暗になり、音声と場面説明の字幕だけになったりするんだけど、それがあまりにも「今良いところなのにぃ・・・・そんな殺生なぁ・・・」って感じで、これは神が仕向けた新たなる映画体験なんじゃないかと思って堪えることにした。
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