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ブレンダンとケルズの秘密のAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

ブレンダンとケルズの秘密(2009年製作の映画)
4.7


厳しい環境の中でも人は物語や芸術を求めてしまうし、それらは人々にとっての生きる希望となりうる

アイルランド国宝「ケルズの書」の史実と伝説をモチーフにして、シンプルかつ普遍的なテーマが、奇をてらわない王道のストーリーで語られる。シンプル過ぎるストーリーと言う意見もあるかも知れない。だからといって作品の価値が劣るわけでは無い。
絵本を一頁一頁ゆっくり読むように魅力的なアニメーションを味わう事ができる宝物のような作品!。

「この作品はアイリッシュ文化へのラブレターなんだよ」と監督のトム・ムーアが言っている。
ポステーデザインは、アイリッシュカラー(※)である緑色が基調として使われ、森と妖精のようなものが描かれている。

本編全体を通しても、平面的なアニメーション画が少し懐かしくて愛おしい。
人間も動物も植物も親密に並列に描かれ、全てが優しく温かい。
この世界をずっと見ていたいとさえ思う。もちろん劇中では暗く辛い場面もあるが決定的な残酷描写はない。
音楽は主にケルト音楽(無印良品で良くかかってるようなアレ)でケルト文化への愛と敬意が満ち溢れている。



追記
バイキングという外敵の侵入から城下町を守るために高い壁を作る、ていうモチーフは「進撃の巨人」そっくり。
本作では史実に忠実で、9世紀アイルランドは元々ケルト系キリスト教を信仰していた民が住んでいたが、北欧のバイキングが襲来して
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