ふゆミン

ブレンダンとケルズの秘密のふゆミンのレビュー・感想・評価

ブレンダンとケルズの秘密(2009年製作の映画)
3.9
「ソング・オブ・ザ・シー」のトム・ムーア監督(アイルランド人)のデビュー作。ソング~から先に見てしまった。ブレンダン~の方もアカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネート。まあ、私にとってはあまりオスカー重要ではないけど。この作品は、アイルランドの歴史をなぞっている。独自のキリスト教を信じ、聖職者や信者は写本の装飾に力をいれ、古き時代の伝承や詩を文字に残していた聖者の時代。そこにバイキングが襲撃する…というあたりがこの作品の時代背景だ。この映画のカギとなる「ケルズの書」は今も実在しているそうで、期間限定で、決まった(いや、任意の?)ページを開いて展示してあるらしい。見に行きたい。
 主人公の男の子ブレンダンは、森で精霊と出会う。精霊が出てくるところも、まさにアイルランド!ケルトの伝統文様の美しき芸術の世界と、精霊が持つミステリアスな情景を、トム・ムーア監督ならではの美意識で描いたこの作品。三次元の美しさは映像ならでは。あぁ好みの世界。夢に出てきてほしい。そしてその中でこの世界を体感したい。
芸術の伝承か、あるいは国防か?
暴力、あるいは戦争は、時として芸術、歴史的文化的遺産を破壊するんだよね。破壊されたモノ、コトもまた歴史であり文化なのかもしれないけど、悲しいよね。
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