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アイヒマン・ショー/歴史を写した男たちのtorisanのレビュー・感想・評価

3.9
ファシストは怪物なのか、普通の人間なのか?

ユダヤ人大量虐殺の、指揮者だったと言われるロバート・アイヒマン。戦後16年たった1961年にアルゼンチンで発見、逮捕され、イスラエルで公開裁判にかけられる。

ファシストは人間か?もちろんファシストは人間だ。アイヒマンはSSの中間管理職であり、上にはヒムラーがいて、ヒトラーがいて、彼は、ナチス党員として、仕事をした。

何が彼をそうさせたのか?アイヒマンはその深淵を剥き出しにはしなかった。もしかしたら、そんなものは無かったのかも知れない。

日本でも、官僚や政治家が証人喚問で問い詰められたり、最近だってよく見ますよね。淡々と答えたりしてて、どういう神経だ!とか思っちゃうんですが、彼らもとことん真面目に仕事をしていく中でそうなってしまっていて、これ世界中で起きてるんですよね…。

でもこの番組を通して、さらにはこの映画を通して、世界中の人が、ホロコーストの出来事を知ることになった。ホテルのおばちゃんが言うように、それは間違いなく、そうなった。

とんでもない量の情報にアクセスできるいまの世の中だって、知らないところで、色々な事が起きている。それは怪物じゃなくて、普通の人たちによって、行われている。何事も、まずは知って、自分で考える、という事なんだよなあ。
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