メモ魔

ラ・ラ・ランドのメモ魔のレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.7
THE.ミュージカル映画、、、すぎね?ストーリーの内容なくて最初からずっと踊ってるだけやん?!俺には合わないかな〜
とか思ってたら最終盤でめちゃくちゃ好きな演出だった。

夢見た世界は幸せだったけど、夢を追った頃の幸せは置いてきてしまった。
必死に夢を追った自分に胸を張ってお別れを告げる話。

ただひたすらに夢を追う二人がひょんなことから出会い、そして別れる話だった。
この作品は最初の部分がミュージカル多すぎてちょっと損してる気がする。
2時間半ある映画って最初はこんなもんなんかな?最初の車のシーンは[幕開け]って意味も含めてこんくらい盛大に踊って騒いででいいと思うんだけど、、、
その後のパーティに行くシーンはミュージカルいらなくない?
終盤に向けてミュージカル要素が少なくなってきたことからなんか尺余ったから序盤にミュージカル詰めておこうぜ的な安直な思想を感じてしまう。まあ勝手に俺が感じてるだけなんだけども。
そんなこんなで多分開始1時間でミュージカル要素が少なくとも4つ以上あった。さすがに飽きる。
いやストーリーと関連するようなミュージカルなら全然見てられるんだけど、、、例えばそこら辺はグレイテストショーマンは上手いと思った。しっかりミュージカルに乗せてキャラクターの心情や感情が伝わってきたもん。
このララランドはミュージカルに主要キャラをあまり起用しないからキャラクターの心情が読みづらい。
あと二人で山奥で踊るシーン。あそこもイマイチ二人の心情がミュージカルから伝わってこなかった。ってかあまりにも急接近が過ぎてついていけなかった。ミュージカルに載せて二人の急接近を視聴者に表現しようとしたのかもしれないんだけど俺は感じることができなかった。いやさすがに言葉が少な過ぎない?
と序盤は正直あまり好印象な映画ではなかった。

--------------↓なんか上手くまとまらなかった
中盤。
二人が付き合ってお互いの夢を激励しながら追い求めるってところ。
ここはお互いが挫折を繰り返してその度に自分の未来や過去を相手に投影してるようで面白かった。
男の方からしたら無邪気に夢を追い続けられる女性の方は[甘い]としか映らなかっただろうし、女性からしたら男性の方は夢半ばで世間の目に打ちひしがれ信念を曲げてしまった人。だと写ったと思う。
で次に女性の方が個人舞台を演じて傷付いて世界の厳しさを知る。男性の方は夢を曲げた形で実現させた自分に後悔の念が募る。
そんな中女性は夢半ばで挫折し自分が傷つく恐怖から逃げ出す。
この女性に男性が夢を追う情熱を解くって展開。
多分男性の方は、
自分は曲がった形で夢が実現してしまったけど、女性の方には今芯から望んだ夢が目の前にある。このチャンスを逃してほしくないって思いがあったんだろうな。
そんなこんなで中盤は男性と女性が[夢を追う]ってテーマで現実の厳しさと折れた分楽になる後悔の念と、それでも努力はいつか実るっていう希望を説いた部分だった。
---------------------↑

終盤、
互いに夢を追い離れ離れになる。5年後にお互いが夢を叶えるが、女性の方には既に夫が、、、
ここでケチつけるのは野暮だからあんまだけど、、、女性の方がここで男性を選ばずにパリで他の男性と結婚した経緯が不明すぎる。ってか意味わからんでしょ。なんなら自身が夢を叶えられたのは男性のおかげなのに、、自分が夢を叶えられたのは、自分の夢を一緒に追ってくれたのは、自分の夢をまるで自分の夢かのように語ってくれたパートナーは、、あの主人公だったのに、、なんで違う人と結婚?そこは謎だった。
まあそこには深い訳があるんだろうってことにしといて、、、

最後のシーンは良かったなぁ。
5年後、主人公は自分の店をオープンし大盛況。そのジャズに惹かれて既婚者と共に女性がお店へ。
そこで主人公と女性が再開。
ここからの演出が結構好きだった。

主人公の演奏を聴いた瞬間(目があった瞬間じゃなくて音楽を聴いた瞬間脳裏に浮かぶってのがまた粋で好き)、もしあの時、、、、
もしあの時お互いが自分の夢に自身を持っていたら。自分が自力で夢を叶える大きい器と気概があれば、そして少しの余裕さへあれば、、、
初めて会ったあの時から、こんな未来があったかもしれない。
お互いの夢も順調に成功、店は大繁盛。個人舞台は大盛況。お互いの夢を叶えて、家庭を持って、3人で楽しい毎日を送って、、、
たまには二人でジャズを見に店へ足を運ぶこともあったかもしれない。
あの時夢を叶えるために、全てを投げ打ってでも必死に足掻き続けた、あの必死さに少しの余裕さへあれば。
そういった後悔の念をこのシーンから感じた。
だって女性の方は今も幸せそうだけど、そんな[もしも]の中でも活き活きと自分の夢を実現して幸せを掴んでたから。

でもこれは全部もしもの話。
って感じで曲の終わりと同時回想が終わる。
女性がこれ以上聞かないでもう帰りましょうって言ったのは、これ以上聴くとあの時の夢に必死で落ち着きがなくて、悲しいことばかりだったけど、これ以上ない愛情とパートナーで進んでこれた輝かしい過去に、刺激的な毎日に戻りたくなるから。だからもう、夢を叶えた相手を見れただけで満足。そういったシーンか。


この後帰り際に主人公が女性に笑いかけるシーンがあるんだけど、ここもなんか悲しいっていうかやるせない?気持ちがあるな〜。女性もそんな主人公に対して笑いかけるんだけど。

お互い夢が叶ったね。だからもうさよなら。
夢を追いかけた、あの頃の自分達にさようなら。

そんなお互いが過去に決別するシーンなんかなって俺は思った。
誰にとっても必死に生きた過去、それを共にしたパートナーって特別よね。でもそれはあくまでも過去の話。今を必死に生きる自分にはその過去は重荷すぎる。だからこうやって、荷を下ろして、下ろして、いつかは前に進まなきゃいけないんだなって。そー思いました。

総評。
ミュージカルである必要性をこの映画には感じなかった。
ただただ普通の、夢を追いかける二人が恋に落ちる話ってだけじゃ話題性にかけたからミュージカルを取り入れた?
そんなところまで考えてしまう。
だってグレイテストショーマンみたいにミュージカル中にキャラクターの心情を伝える、、みたいな工夫が少なかったように感じるから、、、
あとミュージカルここ必要?ってシーンも多々あった。
ということで
3.7点
ミュージカルは微妙
ストーリーも2時間半かけてこれはんー。って感じ。
ただアカデミー賞ノミネートってのもあってやっぱ考察しがいのあるシーンが多かったように思う。
多分ミュージカルも俺がもっと音楽に精通してれば感じ取れる表現があるんだろうな。俺には分からなかった。分からない物を自分の中で神格化して評価するわけにもいかないので、現時点で自分が理解できる範囲で評価するとやっぱこの辺になっちゃう。
つまりはグレイテストショーマン最強
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