これだけ話題の作品で、かつミュージカルなら尚更劇場で観なければ、と鑑賞。
まず、冒頭のシーンでこれは映画＜ミュージカルだと再認識。あのシーンだけでも何度も観返したくなるくらい素敵でした。
ファンタジーと現実が絶妙なバランスで混ざっていて、色々な所で共感を呼ぶし、同時に夢も見られる。本当に質の高い作品です。
私はミュージカルには明るくない＆予習不足で、オマージュは全く分からなかったのがとても残念。知ってればもっと深く楽しめただろうと思います。
音楽が中心にあるだけあり、洋楽サッパリな私でも知っている曲があったり、何よりテーマ曲がものすごく耳に残る。未だに脳内を無限ループしてます。初めてサントラ欲しい‼となりました。
ストーリーは、ラブストーリーと謳われていますが、想像していた程ベタベタなそれではありませんでした。それよりも考えさせられる部分がとても多い。
私個人としては、これはラブストーリーではなかったのだと感じました。二人は恋人以前に夢を追う同志であった。お互いがお互いの夢を叶える事が何よりも大事で、そんな二人だからこそ惹かれ合った。そして誰よりも相手の事を分かって、考えて、応援していた。
だからこそ、この結末は切ないけれど、間違いなくハッピーエンドだと思います。
それと、この作品の素晴らしいところは、何も強要されないところ。夢追い人が中心になっているにも拘わらず、『夢を追い続けなさい』とも『現実を見て生きなさい』とも言ってこない。それが非常に心地好かった。
夢を追い続ける事も、妥協して現実を生きる事も、どちらも正しい。
自分の生き方に疑問を持つタイミングは誰にでも存在します。この作品からは、全編に渡ってハリウッドという極端な世界を描きながらも、ごく普通の世界に生きる私たちの選ぶ、その選択肢やそれに対する迷い・不安のすべてを許容する優しさ・温かさが感じられたように思います。
なんだか勇気付けられました。劇場で観て良かったです。
