シソウメ

ラ・ラ・ランドのシソウメのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
1.9

このレビューはネタバレを含みます

普段映画館で寝ないのだが、寝た。
ミュージカル映画に見識が浅いので見処がそこにあるのなら拾えてなくて申し訳ない。
※改めて見たので一番下に追記しております。

主人公二人の成功への道筋が全く見えない。大した描写がない。
ピアノマンは毎日ピアノの練習をしていたのでわかるし、才能もあったのだろうと推測はできる。
が、女優志望の女はどうか。
何をした?パーティーにいき、コネクションを深めようとはしていたが演技の努力、練習は?
(途中、退屈で寝たので描写があったらすみません)
そもそもオーディション忘れてて、会場に向かう車内でセリフの練習をしてるとか…やる気ねぇだろお前。

この映画を観て「アメリカンドリーム」だなどと夢見がちなことを言って絶賛する人を見ると、感想は個々で良いとは思うがさすがに失笑してしまうほどに、僕はこのデイミアン・チャゼルという監督が歪んだ思考の持ち主なのだと思ってしまう。

この二人(特に女優志望)は大した努力もせず夢を叶えた。
女に至っては劇場での演技を「大根」とまで言われてしまうほど大根なのに、だ。

アメリカ、ひいては世界のショウビズは「運だけでなんとかなる」と言っている様。
否定はしないが、努力なくして運を掴みとることは難しいと言われる方が個人的に納得できる。

夢見る人たちを応援しているように見せて、監督は努力している人を馬鹿にしていると感じた。
もしかすると、今のショウビズ界を揶揄しているともとれるが「セッション」であれほどまでに音楽に対して強烈な否定とネガティブな描写をしたチャゼルだ。
斜に構えて歪んだ価値観が見え隠れするように感じる。

女優志望はオーディションに受かった時のプロデューサーと結婚、5年後で3歳くらいの子供がいて、と考えると役が決まってパリにいき1年で早々と男を捨てるのだ。
少なからず未来に繋げてくれた男を。
しかもデビュー直後に子供を作るという軽率さ。

そもそも起用されたのだって才能があったと言うよりは、権力者に色目を使ったと考える方がしっくりくる。
細かい描写を端折ってラストシーンへの展開を急ぐからこうなる。
別作品のパク…インスパイアかもしれない展開にしたかったのかな?

冒頭のシーンから始まり二人の主人公の現状を映しながら物語は進むが、とりあえず二人とも応援できるような人間ではなかった。
知り合いの性格悪いくそカップルが何をしようと興味はわかないのである。

そんな映画でした。

唯一ほっこりしたのはJKシモンズがかわいいシーンが見られたところです。
あそこは好きです。

ファッキンランド!!


追記
寝てしまったところも補完したので追記。

セブとミアの夢に対する考え方の描写の違い、男女の考え方の違いの対比が色濃い。

意見は大して変わらず…チャゼルが、観賞した人間を上から目線で馬鹿にしていることを確信した。

・セブは夢に向けて信念を曲げ目的地への成功率を取る。
それに対しミアは怒り、夢に向けて信念は曲げず芝居の努力はしないが相変わらずコネクション頼り、最終的に枕営業。
(オーディションのスケジュールを忘れ、台本も運転中に覚えようとするゴミ役者、その上劇場での芝居の評価も大根)

・お店の名前に自分の名前入れちゃうセブ(男性の自己愛)
・ジャズの良さを理解できず、真新しいポップスにしか心を開かない大衆とミュージックシーン
(とは言え、チャゼルもジャズに関してはどうやら寡聞気味の模様)
・恋愛体質で芸術性の欠片もない女の、枕営業によるキャスティングが許されるショービズ
・そしてこんな皮肉に溢れた作品を表面的に評価する映画業界、そして視聴者

への揶揄が存分に込められている。

おそらく前作「セッション」がまったく予想と違う部分を評価されたのを、逆手に取って製作したのではないだろうか?
そして作戦は見事に成功。
「売れる映画を撮る」ことに注視した作り、チャゼルやるな!

手放しに褒めている人々、馬鹿にされてませんか?
シソウメ

シソウメ