TaroSonoda

ラ・ラ・ランドのTaroSonodaのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
5.0
公開の約半年前から楽しみにしていた作品です。YouTubeのトレーラー動画で発見して、「これは!」と思ったのが、今となって大変懐かしいです。

公開初日に品川のIMAXで観てきました。
ズバリ今年度暫定ナンバーワンです!
とにかくこんなに楽しくて泣ける映画は久々に観ました!!!!

まず、オープニングから度肝を抜かれました。約6分間の長回しで直ぐにこの作品の世界観に引き込まれていきました。良くこんな撮影が出来たなと思います。
とにかくこのオープニングシーンは素晴らしく、この後の映画の展開を音楽とその歌詞で説明しています。
音楽の展開も、イントロの高揚感→盛り上げ→一旦トーンダウン→ラストに向かって再び盛り上げ…と、この映画のストーリー展開と作風を上手く紹介していて、映画を観たあとサントラを聴いて、コレは凄いなと感じました。


そして、今回の作品のストーリーですが、監督の前作である「セッション」と同じで、登場人物2人によるかなりシンプルなものです。
しかし、そのシンプルなストーリーをどのように観客に印象的に魅せるかという点がこの映画の最大の良い点だと思います。

例えば、マジックアワーに撮ったタップダンスのシーン、プラネタリウムでのデート、夏の日のモンタージュ、そしてオーディションシーンなどなど…
以上の様に、この映画は心に残るシーンが数多くあると思います。色々な人が映画が終わったあと、「あのシーンが1番良かったけど、あの場面も良いね」という会話が数多く聴こえました。

また、この映画は色々な名作からのオマージュが多く、映画好きとしてはたまらない側面も持っています。
例えば、「雨に唄えば」や「ウエストサイド物語」「シェルブールの雨傘」など鉄板のミュージカル映画から、「フォーリングダウン」や「ブギーナイツ」など少しマニアックな作品までオマージュを捧げていて、もっと多くのオマージュ作品を観たいと思わされました。

そして、驚いたのが前作「セッション」と作風が全然違う点です。セッションは細かいカットを圧倒的な速さで進んでいきましたが、このララランドはオープニングから、ほとんどのシーン(特にミュージカルシーン)はかなり長い長回しとなっています。美術や衣装もとにかくカラフルで、この監督は本当に器用な監督というか、本物の天才なんですね(監督賞おめでとうございます!!!)


最後に、賛否両論あるラストですが、僕はかなり肯定派です。というか、1番好きな映画の終わり方の1つかもしれません。
ネタバレになってしまうので、あまり言いませんが、こんなクライマックスのあり方があるのかと強く思わされました。個人的には「8 1/2」と並ぶ怒涛のクライマックスシーンだと思いました。
そしてその後の最後の2人の表情こそ、この映画に大人な品格を与えてると思います。
エンドクレジットが出た瞬間に思わず拍手してしまいそうでした。

あ〜もっとミュージカル映画勉強せねば〜!
TaroSonoda

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