しょう

ラ・ラ・ランドのしょうのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.1
映画館が立ち見だったなら、私は踊っていたに違いない。夢見心地のような、それでいてほろ苦く、力強い映画。

・至高のミュージカル映画。
アカデミー賞で数々の賞を受賞した本作品。2人のロマンスに惹かれ、演出の魅了され、音楽にありのままの心を委ねる。

・気付けば自分も映画の中に。
冒頭のハイウェイのシーンから一気に世界に引き込まれる。始まりからエンドロールの最後まで、絶えずビートを刻んでしまう。終わったあとに盛大な拍手喝さいが巻き起こるような。音楽に身を任せ心を委ねている間に、自分も映画の中の住人と同じように、彼女たちのロマンスを見守る役目を負わされているかのような感覚に陥るほどの没入感。

・ロマンスは、ほろ苦ビターチョコ。
甘くも切ない、そんなロマンスに魅了される。ロマンスに落ちる2人のツーショットシーンが多い、2人だけの世界に入り込み、音を体全身で表現するシーン、夜景をバックに彼女たちが踊る姿にみせられた。自ずと彼女たちを応援したくなる。

・夢を追う人間の愚かさ、そして、尊さ。
夢に向かってひたすら音楽という世界に生きる2人。周りが笑おうとも自分としては引けない曲げれないことだってあるのだ。それが自分であり、自分として生きる価値なのだと思う。自分を曲げずに生きる彼女たちに称賛あれ。

・個人的には
いささかよく出来すぎている感はあった、それはきっと私のひねくれた心に投影されてしまったからだろう。本作はよくも悪くも万人ウケする映画だった。すごく良い作品。アカデミー賞もうなづける。しかし、私にはもう一捻りあってもよかったのではないか。と。

・さいごに

最後の「彼」の演奏が終わる。不安な眼差しで「彼女」は「彼」をもう一目見ようと振り返る。
顔を上げた「彼」はゆっくりと微笑む。「彼女」もにこりと笑いを返し、ドアから出て行く。

Here’s to the ones who dream, foolish as they may seem.
夢に追う皆へ、たとえ愚かに見えても。
しょう

しょう