寄道世之介

ラ・ラ・ランドの寄道世之介のネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ミュージカル映画は苦手な分野ですが「ウエストサイドストーリー」は大好きで、監督の前作「セッション」も大好きで、エマ・ストーンも好きで、そしてなんと言っても世間の評判がとても良いので期待して観ましたが、最初から最後まで全く乗れないどころかイライラしてしまいました。
私は心底大嫌いな映画。


以下ストレス発散。

冒頭の渋滞ミュージカルシーン。ただスケールの大きな画を撮りたかっただけとしか思えない。
渋滞にも歌詞に大きな意味があると思えず、役者は監督にやらされてる感がありわざとらしさを感じた。
渋滞のイライラをミュージカルでハッピーに変えたと思いきや、主人公2人はイライラ継続してるし。

そもそも渋滞中に後ろの車からクラクション鳴らされたら、反射的に前を見て「あっ、前が進んでる。後ろの人ごめんなさい」となるのが一般的なドライバーである。2人とも短気過ぎる。

あんな短気な2人がくっついても結局ダメになるのは冒頭で分かってしまう。


男が高級レストランの演奏をクビになるシーンも、自分が要望を無視してかつ客を徴発しておいて、「クビにしないで」と懇願し逆ギレするのは自分勝手過ぎる。自業自得じゃん。

誰も聞いてない、自分の望む曲じゃない、不満は分かるが、それに対して反抗する時はクビを覚悟の上でないと、男としてカッコ悪すぎる。

バイト暮らしで金のないハズの女があの高級レストランにふらっと顔出すのも不自然。
お金がない時は高級レストランになんか1歩でも入れないぞ。しかも1人で。

あそこで男に酷い態度取られたのに、あの男に惹かれるのも全く分からないし、その後、男が女に惹かれるのも何でなのか全く分からない。

女は何度もオーディション受けて落ちるが、彼女の何がいけないのか私には分からなかったが、落とされた直後にどうして落とされたのか考えもせずに新しく出会った彼のことを思い出してすぐに立ち直るのを見て、これでは落ちるよと思った。

彼女は女優になりたいという欲求より、男と遊びたい欲求の方が強いとしか思えない。

最後に別れるのも必然性を感じない。別れる必要ないじゃん。
遠距離で連絡取り合えばいいだけなのに、なんか仕事の都合で引き離された悲劇のカップルを演じてるだけ。

そしてたった5年後、2人とも成功してて、なんと彼女には旦那も2歳くらいの子供もいる。たった5年の間に彼のことも吹っ切れて、世界をまたにかける女優の仕事と両立出来る旦那を見付けて子供も産んでと、早過ぎる展開。

なのに、彼に対して未練があるような表情。

彼はもっと深い未練があるようで、演奏中にこういう未来も有り得たのでは妄想。

別れる必要も無いのに自分の意思で別れたのに未練タラタラの2人がいかにも悲劇のカップルみたいな演出にふざけるなと思った。

アカデミー賞を選ぶのは成功者であるアカデミー会員だからきっとこんな映画が好きなんだろうと解釈。

殆どの人間は成功なんてしないんだから、2人が成功しなくても、それでも歌って踊って人生をハッピーに生きたというストーリーを見たかった。


あと、2人が歌が上手いとは思えなかった。

彼が本当は好きではないというバンドの歌はとても好きだった。
あの歌にだけ感動した。


@イオンシネマ千葉ニュータウン7番、ビスタ最大、シネスコなので上下黒みのカットマスクなし。明るさ充分、音も良い。