休日倶楽部

ラ・ラ・ランドの休日倶楽部のネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

流行り物は見たくないという謎の幼稚な反骨心から今まで見ていなかったが、最近ミュージカル、音楽映画にハマり今さらながら視聴。

正直な感想は、やはりとても良かった。
監督が「セッション」のデイミアン・チャゼル、主演がライアン・ゴズリングとエマ・ストーンのゴールデンペア、脇役にソウルシンガーのジョン・レジェンドや「セッション」でもお馴染みJ・K・シモンズなどとても豪華な俳優陣が揃っていた。

内容としてはハリウッドに憧れる売れない女優とLAに自分のジャズ・レストランを構えるとゆう夢を持つこれまた売れないジャズピアニストの恋を一年追った映画。

冒頭の渋滞のシーンから度肝を抜かれ、スケールの大きさや所々に見られるハリウッドへの皮肉(ブラックジョーク?話題になったグルテンフリーダイエット等)もあり終始飽きることなくあっという間の2時間だった。

出会いが最悪の2人が徐々に近づき、ゴールイン!みたいなありきたりなしょうもない作品は日本のお家芸だが、同じ題材でもここまで顕著に差が出ると少し情けない気持ちになってしまう。
1番の差は2人の結末だろう。
少し納得がいっていない反面、途中に入る空想シーンで理由がわかった気がする。

空想シーンでは、ミアが女優として売れてセバスチャンがパリの撮影に帯同しながら雇われピアニストとして演奏するシーンがあるのだが、それではミアの夢は叶うがセバスチャンの夢は叶っていない。
ただ、現実ではセバスチャンはLAに自分の店を開き、ミアは女優として成功を収めている。
空想のシーンはセバスチャンとミア、どちらが想い、望んだものなのか。
自分は、旦那を連れたミアを見つけ2人の思い出の曲を演奏しようとするセバスチャンの後悔や夢の続きを表現したものだと勝手に思っている。

どちらが夢を諦めるのであれば、このまま結婚し幸せな家庭を築くことができる、しかし2人とも夢を追い距離は離れてしまう。
離れていた2人が5年後に再開、再び恋に落ち…という流れが1番まとまっていて綺麗な終わり方だとは思うが、なぜそうしなかったのか、なにか意図があったのかは正直わからない。

だが、終盤の渋滞シーンでスルリと違う道に抜けて行くミアの車を見て、序盤の渋滞シーンは夢見る多くの若者を表していて、終盤のシーンで抜け出したミアは自分なりの成功を手に入れたのかと感じた。

セバスチャンも成功を収めてはいるが、最後のあのなんとも言えない切ない顔は忘れられない。
見た直後ミアこの野郎としか思わず、今もミアこの野郎と思っている。
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