kazマックスグローバーレッド

ゴーイング・クリア: サイエントロジーと信仰という監禁のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

3.8
トムクルーズやジョントラボルタが信仰する宗教団体サイエントロジーの内部を元信者達が暴いたドキュメンタリー映画。

全く売れないSF作家 Lロンハバードが
自己啓発本『ダイアネティックス』を書いたら大当たり。信者にカウンセリングを行い、過去のトラウマや人に聞かれたくない秘密を洗いざらい喋らせてファイルに保存。信者はこの惑星と宇宙の為に10億年の契約を結ばされ、これが発展して宗教団体へ成長。 

この『サイエントロジー』は教義が秘密で沢山修業して沢山お布施してレベルが上がる課金システム。そして何十年もかけて最高レベルに達したらいよいよ教義が明かされる。

それはスーツケースを渡されて中を開けると教祖様の手書きで「7500万年前、銀河系の長[ジヌー]は反逆者達を監獄惑星[地球]の火山に落とし水素爆弾で爆破。その魂[セイタン]が巨大スクリーンで悪夢のような3D映画を見せられた後に古代地球人に吸収される。それが代々受け継がれて今の人々の恐怖や不安の源になった」

えっ?!どういうこと?!
7500万年前の地球に火山は無いらしくこれを読んだ元信者は冗談か自分が試されてるのではと思ったのでした。

この教祖様、大金を稼ぐ近道は宗教の創始でそれなら政府に税金を取られないと語って教典を執筆。

70年代にハリウッドで教会を建て、有名人を引き入れて広告塔として利用し、ヒッピー達にはドラッグなしでハイになれると勧誘。トラボルタは売れない俳優時代に入信した後にCM契約やドラマの主演などヒット作に恵まれたらしいです。

トラボルタ担当教団広報の女性は脱退しようとしたが捕らえられ再教育の名の元に強制労働、食事は残飯。何故か教団側から施設で『サタデーナイトフィーバー』の上映を命令された。

一方、トムクルーズは『デイズオブサンダー』の頃に元妻ニコールキッドマンと出会いそこから教団と距離を置くようになる。焦った教団側は[潜在的なトラブルの源]ニコールと別れさせようと画策し始めて…
ハリウッドスター裏事情が見れる貴重なドキュメンタリーです。

この教祖様は色んな小説を書いていおり、その一つ『バトルフィールドアース』は映画化されてトラボルタ星人が怪演。最低主演男優賞を獲得して以来、またトラボルタ低迷期が訪れるのでありました。