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LION ライオン 25年目のただいまのAwoのレビュー・感想・評価

4.9
なめてました。
久しぶりに映画で心が締め付けられました。
「迷子」が国境を渡って二度と会えなくなる世界があることは日本にいると想像もつかない。冒頭の子供売買。あんなことがあったら誰も信じられないだろうに。孤児院に入れられても満足な生活は送れず。こういうの見ると、本当に自分が幸せに育ってこれた感謝の想いでいっぱいになる。
だめだこりゃ。
想いを紡ぎながら思わず泣きそうになる。
サルーの育てのお母さん。彼女がどんな想いでサルー達を引き取ったのか。覚悟が違うよ。個人的には育て親の二人に感極まってしまった。
そして最後。僕は長男で、弟がいるから、自分のせいで弟がいなくなったという後ろめたさに毎日押しつぶされながら生きていくことにならなくて少し良かったなという想いも。
それにしても、生みのお母さんも、一瞬にして二人の息子を失う気持ちたるや。想像を絶する。本当の美しさをもった方だなと思った。

生みの親が実の親。僕はそんな環境で育ってきた。
でも、育ての親が親の人もいる。
つまり、何らかの事情があって、生みの親と育ての親が違う人。
どっちが正しいとかじゃないのに、僕は偏見を持っていたかもしれない。
どんな想いで、育ての親がサルーを引き取ったか。
どんな想いで、生みの親がサルーを想い続けていたか。
今は、こうした気持ちに気付かせてくれたこの作品に深く深く感謝を込めて。
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