このレビューはネタバレを含みます
映画の概要からして複雑そうなテーマだなぁと思いつつ見始めましたが、始まりの壮大なシーンから心掴まれました!
こういう世界の大自然にいつか行ってみたいな〜…と憧れを抱きつつ、暗く閉め切った部屋で1人映画を楽しみました。(完)
さて、
映画には映像を楽しむものとストーリーを楽しむものがあると思いますが、この映画はどちらも好みでした。
いや、楽しむにはとても重いテーマかもしれません。
観終わった後に心にどっしり残るものは、何とも言えませんでした。
幼少期にインドで迷子になりストリートチルドレンになったサルーはオーストラリアの夫婦に養子に出され、25年の時を経て故郷を見つけ出し、育ての親に再開することができた。
ここだけだと感動エピソードで終わりですが、エンドロールでその印象が一変。
【インドでは年間8万人の子どもが迷子になっている】
この映画は、この事実やその背景も伝えたいのだと思う。
ストリートチルドレン、その多くは人身売買や売春など悪い大人の道具として扱われていること。
色濃く残るカースト制度。
そして貧困。
裕福なオーストラリアの家庭で大人になり貧しい故郷に戻ったときのサルーは、人種こそインド人ですが、周りの貧しい格好の住民たちに囲まれるととても異質な存在に見えました。
生まれた場所によってその子の運命は変わるのに、子どもはその場所を選ぶことはできない。
でも運命だから仕方ないと言うにはあまりに残酷過ぎる…!子どもの力ではどうすることもできないですからね。
この映画は大ヒットしたようですが、サルーの起こした奇跡は、多くの人にインドの実情を伝えるために起こったのかもしれません。
あと、子役のサルー激かわでした。