Shelby

LION ライオン 25年目のただいまのShelbyのレビュー・感想・評価

4.4
公開当時からずっと気になっていて、結局劇場まで足を運ばず後悔していた作品。やっとレンタルされたので早速鑑賞。

夜の仕事に出掛けようとしていた大好きな兄に着いて行き、そのまま不運にも家に帰ることが出来なくなってしまうサルー。
くりくりパーマのかかった髪に黒目の大きな瞳。幼少期のあんなに可愛い子供が迷子になっていたら、誰か声をかけないものだろうか。人でごった返す駅で必死に母と兄を探すサルーの姿が切なすぎて胸が苦しくなった。

迷子の間、悪い奴らに売り飛ばされそうになったり、施設に閉じ込められたりと毎日辛かったであろう過程が丁寧に描かれている。幼いサルーがどんな思いで毎日を生き延びていたか。想像もできない。
施設に居たサルーを養子に迎え入れてくれた両親の懐の大きさにも涙止まらず。いい人たちで本当に良かった。

GoogleEarthというツールの時点でイマドキな映画だったが、これが実話だというから堪らない。無事に故郷に戻ることが出来生みの親とも再開するも兄の所在を聞いてまた涙腺崩壊。
また、タイトル「ライオン」の意味を知り更に泣き崩れた。これは映画を見て是非泣いてほしい。

氷山の一角に過ぎないのだろうけれど、
「おかえり」と言ってくれる場所の有り難みを噛み締めることが出来る、奇跡のような感動的な物語。サルーのような子供たちが少しでも減ることを切に願う。
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