向日葵

LION ライオン 25年目のただいまの向日葵のレビュー・感想・評価

4.0
インドで生まれ5歳で迷子になった主人公サルー。迷子になり路頭に迷い続けた彼はオーストラリアへ養子として迎えられそこで幸せに暮らす。そして25年経った時彼は生き別れた家族へもう一度会うため故郷を探すノンフィクション。


インドでは年間約8万人の路頭に迷う子供が出るといいます。この作品を見ていると路頭に迷ったら基本誰も助けて貰えず助けてもらえたと思ったら人身売買だったりと身の危険もすぐそこに潜んでいる状態。
小さい5歳の足で1人で、人を疑いながら道をさ迷い一生懸命全身で走っている姿が頭に焼き付いている。
サルーの家族は母が石を集め生計を立て兄は直ぐ列車に引かれ亡くなる。そのような過酷の現実があることをこの映画から学ぶことが出来ました。

サルーはオーストラリアの養子として恵まれた環境に引き取られ、母父共にとても素敵な人だった為、無事大きくなり改めてオーストラリアから生まれ育った故郷を探すことが出来た。サルーは本当に恵まれた運の良い子だったのだと痛感した。

サルーがいたから映画になり私たちのような無知な人間に感動的な秘話が語られることになったのだが、そのような子供はごく1部だと思うと胸が苦しくなった。他に何万人の子供が生き別れた親に会いたいと思いながら身売りをされるのか、臓器提供されるのか、そのような現実を良い話で終わらせず知るべきだと言うのが一番心に残った感想。

またサルーのように救われるべき無知の綺麗な子供たちがいることがもっと世に広まり、人口が増え続けている今、血の繋がりとは関係ない「愛」を信じて(映画の中でもオーストラリアのお母さんが話していた)養子を受け入れる環境がより整うことを願います。

わたし的にエンディングがとても素敵でした。
向日葵

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