モンテイロ独特の変態性が無い、未亡人とテロリストの、超絶的に美しいメロドラマ。とにかく画面が綺麗すぎる。夜の青白さに黄色い照明が映えまくる。一度も切り替えしのｼｮｯﾄがない、長回しの画面はモンテイロらしい。

イケメンテロリストに迫られた後、鏡を見て「あなたはもう死んでるのよ」と呟くｼｰﾝがあるが、ここ凄い。鏡に向かって幽霊のようにすーっと水平移動で近づいて、そのまま画面全体が青白く光る。異様だけど美しい。
青白い絵の前での対話のｶｯﾄなんかは、二人の輪郭が浮き出たような、合成のような印象を受けた。　

美しいなぁとか思ってみてたら、唐突に家の中にマシンガンもったテロリストが乱入し荒される展開はさすがのモンテイロ。っていうか、そのメンバーにモンテイロ自身が混じってて笑った。しかも、女のスカートを銃でめくったり、相変わらずのスケベ親父っぷりを披露。なんか、ほっこりした。

夜の井戸の周りのｼｰﾝもうっつくしかったな。カメラが唐突に移動するのとか萌えるポイント。井戸の周りをぐるっと移動する。夜の家を外から撮って、2階から1階にカメラがティルトダウンするのもいいな。

本作に登場するシャム猫とよく似たやつがオリヴェイラの『アブラハム渓谷』にも出てくる。
映画と映画を跨いで散歩してるみたいでかわいい。

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