ゆっきー

行ったり来たりのゆっきーのレビュー・感想・評価

行ったり来たり(2003年製作の映画)
5.0
端正なシンメトリーなFIX画面に長回し。切り返しが3時間の中で2回のみ。そんな崇高な画面でやってることは無茶苦茶というか狂ってるのだ。最高。

これね、凄いシーンが多すぎてあげたらきりないのだが、公園でたたずむ孤独老人=モンテイロをFIX画面で撮るのだが、同じ赤い服の少女が画面を何度も自転車で横切る。画面外の少女を追うモンテイロの視線と、何週目かで突然、少女をダッシュで追いかけるモンテイロに爆笑。

映画後半で突然手術のカット→入院 となる暴力的な展開も凄いのだが、手術中、モンテイロに医者がたかってて、その手元が見えないんだけど、一斉に医者どもが手を挙げると、彼らの手には巨大なチンポが掲げられるっていう意味不明さ。その後、そのチンポ病室に飾られてるしw

トンデモ映画と思いきやグッとくるしな最後。死を悟って病院を抜け出したモンテイロと、木の上の存在するのかどうかわからない少女との会話。切り返しのショット。最後に初めてのクローズアップ。しかも目だけ。美しかった。モンテイロ自身が死期を悟ったような内容だ。

あとペニスバンドはデカいし、警察を二人殺して出所してきた息子に生きざまを非難れて美しい夜の波止場で息子を海に突き落として踵を返すモンテイロさんの動きには驚愕せざるを得ない。

最初の一時間くらいは大人しめなんだけど、だんだん変態性を隠しきれなくなってきて最後はなぜか人生賛歌のような感動を味わえるっていうすげー映画なのでオヌヌメっす。
ゆっきー

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