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アンナと過ごした4日間のameriaのレビュー・感想・評価

アンナと過ごした4日間(2008年製作の映画)
4.9
好きだわ〜こういうの。
10年以上前にキェシロフスキの『愛に関する短いフィルム』に出会ってからこのような屈折した愛情ものが好きなんだとパズルのピースがカチッとハマる感覚を覚えたあの時。それから偏愛は実は究極の純愛なんだと思ってるんですが。

好きな相手の家を覗くなど主人公の行動は『愛に関する短いフィルム』と似ています。だけどこの主人公レオンのほうが積極的。健気にネイルを塗ってあげたり、ほつれたボタンを縫いつけてあげたりするなど4日間アンナの家に足しげく通う様子が描かれています。

やってることはだいぶ犯罪だけど、鈍臭すぎるし、哀しくなってきて見てて抱きしめてあげたくなるというか、なんか応援したくなっちゃうレオン。愛情の示しかたがきっと人に尽くすことだったんだろうけどその一生懸命な愛情表現の仕方がね、正しくなかったんだよな。恋に堕ちた瞬間も「え?そこ??!」って普通の人とはだいぶ違すぎるし、偏愛だけど、純愛すぎるほどピュアな純愛だった。ただあの…彼を待つ絶望。あのうるうるとした眼差しは切ない。それこそ本当に抱きしめてあったかい部屋にお入りってしてあげたくなる。

時間軸をズラして過去を挟んでいきながら進行していくのですが、はじめはなんのこっちゃとなるけど色々とわかっていくうちになるほどと。最後にピタッと全てが終結するその作りも好きでした。やっぱりイエジー監督好きだな。
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