アンナと過ごした4日間の作品情報・感想・評価

「アンナと過ごした4日間」に投稿された感想・評価

mtmg

mtmgの感想・評価

3.1
スコリモフスキの映画はスロースタートなものが多いと思う。だんだんと面白くはなっていくけど往年の「早春」とか「ムーンライティング」には及ばないかな。
otom

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3.8
こんなに壮絶な片思いも、キモいオッサンでなくイケメンだったら何の問題もないのでしょうね。不法侵入されてたら、そりゃふられるのは仕方ない。冤罪の方はともかくとして、許されただけ幸運な気がする。しかし、こんなにキモイ内容なのに、張り詰めた空気と映像の美しさはかなりのもの。不器用な男が不器用過ぎて、それが切なさを深くする。良作。
本当に素晴らしい映画でした。決していい気分になる映画ではないけど、とても儚く美しいシーンもある傑作。スコリモフスキはいつも音楽良いすね。
T

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4.3
川で牛の死体が流れてくるのを見た後に、女性が納屋でレイプされているところを目撃してから、その女性が気になって仕方が無い男。スーパーで出会って意識するのはともかく、家に忍び込んで、ほつれたボタンを直すシーンの気味の悪さよ。祖母の死によって大粒の涙を流す純粋さを持ち合わせていることは、最も恐ろしいストーカーになる可能性を秘めているということかもしれない。警察での取り調べ⇒風呂でうたた寝から目覚めるカットの繋ぎが最高。叶わぬ恋に溺れてしまった孤独な男の悲しき物語だ。アンナの家の窓から出ると、男の精神的な潔白を示すように、純白のシーツが幾つも干されているのが印象的だった。時系列の工夫も見事。
堊

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3.9
冒頭で反復されるストーカー描写や度々姿を見せる「鏡」でこの監督が『早春』と『出発』の監督だということはわかる。が、しかし鮮烈な色彩は本作では一見すっかり鳴りを潜めたように見える。『アベンジャーズ』に出演した際に「一本の映画を撮るよりもこうした映画の端役に出たほうが金になる」なんてスコリモフスキ自身がシニカルに語っていたとおり、本作はおそろしいほど低予算だ。本作には決して『アベンジャーズ』に出るような有名俳優は当のスコリモフスキ本人を除いて出演していない。だが、それでも本作はわかりやすく「エモい」。それは決してハンスジマー風にうるさく鳴り響くサウンドトラックやそれと同期させた編集のせいではまったくない。にもかかわらず、この映画に奇妙な愛着を憶えるのは、もっぱらそのごく僅かなポーランド映画で名が知れているだけの"無名俳優”にすぎないアルトゥール・ステランコの演技に拠っている。なぜそこでコケるのか、なぜそこで落とすのか。不格好でありながらなぜか落ち着いてしまう二度の貧相な椅子への着席は痛ましく画面を震わせつつもそれを見ているわたしたちに笑みをこぼさせる。そして画面内を運動で満たす彼に呼応するかのように鮮やかにカメラは彼を伴って灰燼の中を滑らかに横移動してみせる。終盤で取調室に至りはじめて目をあけて向かい合うふたり。決してその互いの指にクロースアップしたり伴奏を差し込むようなはしたない演出は控え、ただ彼女は立ち上がる際に決して彼に対してかつてみせたことない愛おしさでもって机の木目をゆっくりとなぞる。彼らの触れ合うことのなかった喜劇はここでようやく悲劇へと結実する。我々はこうして本作が決して簡単に要約されてしまうような地味で静かな作品ではなく、そして、スコリモフスキが「エモ」の人であることを思い出す。
覗きの映画というのはけっこうあって、メインテーマじゃなくても覗きのシーンがある作品は数知れず。そんな作品をみるといつも思うのだけれど、
なぜ夜なのに厚地カーテンを引かない??
なぜそんなに窓の近くで着替えをする??
…と。思いますよね、誰でも。

本作は今をときめくスコリモフスキ監督の覗き映画ですから、そのヘンタイ度は推して知るべし。かる〜い出来心からのライトな覗きではない。度数マックスです(^^;)

それでも私は本作を嫌いではないし観てよかったと思う。それは湿った映像の美しさと、社会的に報われない主人公の抑えきれない歪んだ愛や哀愁が融合して胸を締め付けられるから。ラストシーンも秀逸。静かなる変態世界に興味ある方は是非。
Nagi

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3.0
異様な映画なのはいいのだが、それを支える脚本が脆弱かつその描き方が雑過ぎて、何のために異様な場面を用意したのか疑ってしまった。
カツマ

カツマの感想・評価

3.5
曇天と暗闇ばかりの空と陰鬱な日々を、ビクビクと生きる主人公による一方通行の恋愛(ストーカー)映画。ハードコアなストーカー行為に生理的な気色悪さはあれど、絵画的なカットとハンスジマーを先取りしたかのような重低音がこの映画の質を高めていると思う。時間軸はバラバラに提示されるが、それを繋ぎ合わせるのはさほど難しくはない。だが、完成した絵はスコリモフスキ的世界観で塗り固められた異形の産物。救いはあまり無いけれど、劇中にほんの少しだけ見え隠れする明るい光を少しでもキャッチしたい。

ポーランドの片田舎にて病床の祖母と2人暮らしのレオンは、向かいに住むアンナの部屋を窓から眺めるのが唯一の癒し。やがて祖母が亡くなり、いよいよ孤独の身の上となったレオンは、立て続けに焼却炉の管理人の職まで失ってしまう。彼がアンナに執着するのは理由があり、それが屈折した愛となって彼をストーカー行為に走らせる。過去のある事件を境に出会っていた2人。そしてレオンはついにアンナの部屋に侵入することを決行に移すのであった。

一途な愛の物語と呼ぶにはあまりに主人公が気持ち悪いため、ラストシーンに何の感慨も湧かないほど、この映画は徹底して主人公に対して不条理であった。恐らくこの突き離した目線こそスコリモフスキの真骨頂なのだろう。不幸せな登場人物達が織りなす、不器用で光の射さない曇天ヒューマンドラマです。こういう映画を見ると、不条理という映画のジャンルはやはり必要ですね(笑)
現在・過去をシャッフルしながら、ある中年男が一人の女性を愛する姿が描かれる。中年男は、その女性がレイプされている場面に出くわしただけで罪を問われ、その後、その女性の部屋に忍び込む。

部屋に忍び込むという犯罪行為の最中に「女性を愛する行動」を見せるが、歪んだ純愛映画といえるだろう。

イエジー・スコリモフスキ監督の17年振りの新作だが、いかんせん画面が暗過ぎる。

日光が見られる場面が極端に少ないので、陽のあたる場面が際立つ。
その風景は強く印象に残る。

物語としては、ドキドキさせられる場面もあるが、だいぶ前に観た「早春」(ジェーン・アッシャー主演)ほどのインパクトは感じられなかった。
スコリモフスキ流「愛に関する短いフィルム」か。いや、時系列もぐちゃぐちゃで取っつきづらいったらないのだが、結論から言うと、とにかく面白かった。

女への恋心が、みじめなオッちゃんに活力を与えていくお話。女が寝ている間に部屋に忍び込み、ベッドの下に潜り込み、息を殺して夜を共に「過ごす」男に、誰が共感などできようか。
でも、しだいにこの不器用な男のことが本当に惨めでたまらなくなってくる。家族も失い、誰からも見放され、犯罪者扱いされながらも、自分の顔すら知らない女に抱いた一方通行の淡い想いだけが拠りどころとなってしまった男に、どうにかして明るい未来が開けることを期待してしまう。

ラブストーリーと素直には呼びがたいけど、じゃあ他にこれを何と呼ぼうかな。
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