アンナと過ごした4日間の作品情報・感想・評価

「アンナと過ごした4日間」に投稿された感想・評価

カツマ

カツマの感想・評価

3.5
曇天と暗闇ばかりの空と陰鬱な日々を、ビクビクと生きる主人公による一方通行の恋愛(ストーカー)映画。ハードコアなストーカー行為に生理的な気色悪さはあれど、絵画的なカットとハンスジマーを先取りしたかのような重低音がこの映画の質を高めていると思う。時間軸はバラバラに提示されるが、それを繋ぎ合わせるのはさほど難しくはない。だが、完成した絵はスコリモフスキ的世界観で塗り固められた異形の産物。救いはあまり無いけれど、劇中にほんの少しだけ見え隠れする明るい光を少しでもキャッチしたい。

ポーランドの片田舎にて病床の祖母と2人暮らしのレオンは、向かいに住むアンナの部屋を窓から眺めるのが唯一の癒し。やがて祖母が亡くなり、いよいよ孤独の身の上となったレオンは、立て続けに焼却炉の管理人の職まで失ってしまう。彼がアンナに執着するのは理由があり、それが屈折した愛となって彼をストーカー行為に走らせる。過去のある事件を境に出会っていた2人。そしてレオンはついにアンナの部屋に侵入することを決行に移すのであった。

一途な愛の物語と呼ぶにはあまりに主人公が気持ち悪いため、ラストシーンに何の感慨も湧かないほど、この映画は徹底して主人公に対して不条理であった。恐らくこの突き離した目線こそスコリモフスキの真骨頂なのだろう。不幸せな登場人物達が織りなす、不器用で光の射さない曇天ヒューマンドラマです。こういう映画を見ると、不条理という映画のジャンルはやはり必要ですね(笑)
現在・過去をシャッフルしながら、ある中年男が一人の女性を愛する姿が描かれる。中年男は、その女性がレイプされている場面に出くわしただけで罪を問われ、その後、その女性の部屋に忍び込む。

部屋に忍び込むという犯罪行為の最中に「女性を愛する行動」を見せるが、歪んだ純愛映画といえるだろう。

イエジー・スコリモフスキ監督の17年振りの新作だが、いかんせん画面が暗過ぎる。

日光が見られる場面が極端に少ないので、陽のあたる場面が際立つ。
その風景は強く印象に残る。

物語としては、ドキドキさせられる場面もあるが、だいぶ前に観た「早春」(ジェーン・アッシャー主演)ほどのインパクトは感じられなかった。
スコリモフスキ流「愛に関する短いフィルム」か。いや、時系列もぐちゃぐちゃで取っつきづらいったらないのだが、結論から言うと、とにかく面白かった。

女への恋心が、みじめなオッちゃんに活力を与えていくお話。女が寝ている間に部屋に忍び込み、ベッドの下に潜り込み、息を殺して夜を共に「過ごす」男に、誰が共感などできようか。
でも、しだいにこの不器用な男のことが本当に惨めでたまらなくなってくる。家族も失い、誰からも見放され、犯罪者扱いされながらも、自分の顔すら知らない女に抱いた一方通行の淡い想いだけが拠りどころとなってしまった男に、どうにかして明るい未来が開けることを期待してしまう。

ラブストーリーと素直には呼びがたいけど、じゃあ他にこれを何と呼ぼうかな。
わたし…無理でした…きついつらいきもちわるい。。。ホラーもグロいのもこわいサスペンスも無理だけど、こういう胃がキリキリ痛むのもだめです……レイプ、冤罪、暴力、初老の孤独、のぞき魔、デブの女、、、ぜんぶだめだった…
小森

小森の感想・評価

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レイプされてるのを見て被害者に恋?をするおっさんの四日間。変態が奮闘する姿は勇気が貰えます。
本作と同時期にアサイヤス『夏時間の庭』が公開してて、立て続けに見た記憶がある。
そして2作とも、ラストに壁が出てくる。
『夏時間の庭』のラストは、少女と少年が壁を乗り越えると、カメラがティルトアップし、壁の向こうの草原が映るところで終わる。ま、つまり画面に映っていないものを想像させる意図として壁が使われていたが、本作では壁は絶望そのものを意味していた。‪
映画における壁の使い方について意識した二本の映画の話でした。

奇妙、悪く言えば気持ちが悪い映画ではあるが、時々見える美しさが余計に不気味さを際立たせていた。

音とカメラの動きに色気がある。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

2.0
2010/8/2鑑賞(鑑賞メーターより転載)
自分をうまく表現できずあらゆる面で損な役回りばかり演じている主人公レオンが、ただならぬ因縁を持った一人の女性の生活を覗き見し、やがて大胆な行動に...アンナの家に入り込んでからの振る舞いは不器用な彼なりの必死で純粋な愛の表現だし、そこには下世話な欲はなく極めて一途な想いのみが見て取れるのだが、やっぱり根本で共感できないととことんまでのめりこめない。自分が直情型だからなおさらレオンの振る舞いにはイライラ。一般的には評価は高いが、こんな自分にとっては良さを理解する前に生理的に拒絶してしまった。
Risa

Risaの感想・評価

3.0
片想いは楽しいですね。

非常に良い4日間だったと思います。
アンナの家に侵入するまで 疲れ切ったボロボロのおっさんが 日を追うごとに 生気を取り戻していくのですから。

見ていて辛いほどに疲れ切っていたんです。
唯一の親族、看病していた祖母が死に、病院で 駄目になった身体の切り取った部位を焼く仕事をし、服はホームレスの様。過去にはレイプされている女性を発見し、警察に通報したら 逆に犯人と勘違いされて有罪になる始末。

その おっさんが やっと 輝きだしたんです。
恋です!
恋のお相手は 過去に発見したレイプ被害者(看護師 30歳 女性)

恋をして 変わったんです。
好きな人に逢いに行くんですからね。
お風呂に入り、服装もちゃんとしてきます。スーツも着ますよ。
誕生日には薔薇の花束も持って行くし、ダイヤの指輪も買います。
部屋の床も拭いてあげるし、皿洗いもします。元から控えめで優しい性格が活きてキラキラと輝き始めます。
なんだか、やっと人間らしい生活を始めたように見えるんです。
今までが底辺過ぎて。

が、単なる ストーカー。
彼女が寝ている間に家宅侵入して 寝ている彼女と会うんです。

さて、寝ている彼女の足の爪に赤いマニキュアを塗るシーンがあります。
ここで 私は 何だか 違和感を。
レイプ事件の取り調べで、主人公は 彼女の足に赤い血が見えた と言っています。
確かに 足の爪が血で滲んでる彼女の足が映されます。

結局のところ レイプを見たから 彼女の事が好きになってしまったに過ぎない。
これは 本当の恋じゃない。

なんて浅はかな恋に盲目になって犯罪して、どこまで 切ないおっさんなんだろう。


とりあえず お洒落なパッケージに期待しすぎました。
画面に凝ってるんでしょうが、空気の平面さを感じます。雪が降ってるのに 雪が積もってるのに雪の感じがしない。風の音がない。。
ooospem

ooospemの感想・評価

2.8
なんとも気味が悪い
清潔と言えば白衣と、はためく白い洗濯物と雪景色くらいだろうか
独特で見応えはあると思うけど、二度目は無いかなあ
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