千里

いいにおいのする映画の千里のレビュー・感想・評価

いいにおいのする映画(2015年製作の映画)
2.6
先日松本花奈監督の「脱脱脱脱17」を劇場で観賞後、松本監督と本作「いいにおいのする映画」の監督である酒井麻衣監督のミニトークショーを聴いて酒井監督にも興味を持ったので、宣伝なさってた本作を鑑賞。今作はタイトル的にも現実的な物語なのかと思っていたけど、なかなかにファンタジーな作品だった。ミニトークショーで酒井監督の考えるファンタジーとは何かというテーマのトークでは現実から逃避して楽しい気分を味わわせるもの的なことを仰っていたが、なるほどこういう方向性で魅せるのかと。

今作のタイトルにも入っている"いいにおい"とは、"人間の前向きで温かな気持ち"といった感じのものなのかなと。全体的には暗めの展開なので映像が白黒のトーンで進みつつも、ところどころ感情が高まるシーンや温かなシーンでは色彩が戻りカラフルな世界になる見せ方は見てて楽しい。最終的にあのライブを経て一歩前に進んだ彼ら。そんな彼らの心にある温かな気持ち。主人公の少女が最後に言う台詞「いいにおいのする世界に私はいる」とはそういうことなのだろう。

なんとなーくは言いたいことを掴んだような気がしないでもないが、ファンタジック過ぎる表現なため伝わりにくい作品だろうなとは思う。でも変わった表現をする監督さんだなとは思うので、酒井監督の今後の作品もチェックしたい。
千里

千里