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ワイルド・スピード ICE BREAKのとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.5
最高!これはシャーリズ・セロンがドムを洗脳する映画ではない、ドムが敵を洗脳する(=ことあるごとにファミリーファミリーと煩いファミリー教)作品だ!
ブレながらも、時に苦難に遇いながらも続けてきた歴史があったからこそ生まれた本作!終盤の展開だけで言えば☆☆☆☆越えする。一見すると命と車を軽んじるシリーズだが、実は命も車も重んじているのが分かる。前作までへの目配せ・オマージュもあるし。主だった内容・アクション自体は馬鹿さに拍車がかかり、キャプテン・アメリカ ウィンターソルジャーからのアベンジャーズみたいなオールスター状態になっているが、そのブレブレ度がゲラ受け。ステイサムはどこにいてもステイサムで、ただの良い奴・任侠系あんちゃんになっている。ローマンは回を重ねるごとにお笑い担当になり、テズは最初出てきたときストリートレースを仕切っていたのに今ではハッカーをはじめ"便利屋"オタク。二人ともX2のときからブレすぎ・変わりすぎ、もしくは一つの側面ばかり強調されすぎ?いっそデボン青木呼んでくるか。ロドリゲス姐さん扮するレティは今回は乙女だし。そしてやっぱりやたらと「ファミリー」ファミリーと煩いトレット兄貴の、皆が机を囲んだときの説教臭い感じがないと!このように、一人ひとりで言えばアクションスターも多いが、全体的に批評家からあまり好評価を受けない面々が、これだけ集まると最高の常識&重力無視アクションエンタメ超大作をファミリーとして作り上げているのは感慨深い。敵キャラの次なる目標地点を特定する手段が毎度「?」ってなるのは、ぼくが馬鹿だから?それとも、難しい言葉と謎のプログラミングその他諸々のキーボード連打で客を煙に巻く映画的チート戦法?
あと、制作者たちがドムというキャラを愛しすぎてか、裏切る前から不要な親切心で丁寧に裏切る過程を描いてしまった点。ただの悪役にしたくなかったんだろね~。けど、こういう「味方裏切り系」の展開って最初はなんで裏切ったのか分からないのが普通じゃないの?

回を重ねるごとにネオナチ集団ばりに坊主の割合が増え、途中参加の新参者が急速に中核を担うようになるブレブレなDQN御用達本シリーズの新たな、そして最後のステージを告げる作品は邦題がマックスからミッションになり、それすら早々に捨てて相当無理が来ているのが伝わるが、そこもご愛嬌。だって『ワイルドスピード』って邦題と、それを予告で格好付けて言ってるナレーションの時点で相当痛いんだから。それに、それも三作目で東京が舞台にもなっているので、受け入れられていると考えていいんだから!あと二作も楽しみ
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