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マネー・ショート 華麗なる大逆転のdxdxdのレビュー・感想・評価

5.0
こんな薄っぺらい意識高い学生みたいな事言いたくないけど「システムっつうものをとことん疑え」という言葉が渦巻いて仕方ねえ!!!

今作で描かれることは別に「リーマン・ショック」っていう個別事例のみに当てはまることじゃなくて、中庸平凡に暮らしている俺たちにも通ずる普遍的な物語だ!

言うなれば、俺たちはクソが混ぜ込まれたハンバーガーを平気で食べているし、
例えそれに気づいても「まあみんな食べているし、特に問題になってないから大丈夫だよ」
と言われるような世界に生きているようなもんだよ。

あと、怒涛のように投資用語が出てくるから映画.comの特集記事を読んだり、TBSラジオのたまむすびでの町山さんの解説とか聞いて予習してから行くといいかも。それでも、分からない所は分からない、でも楽しい。言うなれば一ミリもダレることはなく、ちょっとでも気を抜いたら振り落とされる知的ジェットコースター。

ただ、池上明の本でも読まないと経済用語理解出来ない情弱な俺たちのために、猿でも分かる投資用語講座がございます!金髪のセクシーな姉ちゃんがバック・トゥ・ザ・フューチャーに出てきそうな泡風呂に入って、「いい、サムプライズローンっていうのはね~」と優しくエロく教えてくれますよ。

とにかく、知らないことよりも罪だけど、知ったか振りするのが一番の罪ですな。無知の知は大事だよ、ほんと。

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ちなみになんですが、個人的に今作は
スディーヴ・カレルペロペロ映画でしたね。「俺たちニュースキャスター」のグリーンバックと緑のズボンが被って「ぼ、僕の足がないよ~~~」のマジアスぺシーンから、「フォックスキャッチャー」の孤独な魂をこじらせてホモホモシーンまで演じる安定のカレルだけど、今回も神経質な潔白主義者の役がドはまりしてましたな。ただ、ラストの珈琲を飲みながら言うあるシーンは切なさというか諦観というものが凝縮された男の背中がそこにはありました。スディーヴ・カレルのフィルモグラフィー的には外せねえよ!
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