蜘蛛マン

マネー・ショート 華麗なる大逆転の蜘蛛マンのレビュー・感想・評価

3.8
資本主義のバケモノぶりを容赦なく暴き出す映画だが、共産主義のバケモノぶりを暴き出す映画も数多くあるので、結局バケモノなのは人間なんだと思い知らされる。

金融市場崩壊を予測して空売りを仕掛ける主人公たちだが、彼らもまた、色々葛藤を抱えつつも最終的には金を得ている。唯一倫理観ベースの行動則を見せるスティーブ・カレルも、背景に兄の自殺があるからの倫理観であり、特殊な事例に過ぎない。

どれだけシステムが詐欺的であろうと狂っていようと、そのシステムのなかで最適に立ち回るしかない絶望が、人間のミニマムさではどうやっても対抗できない巨大な何かが、しっかり描かれていたように思う。
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